
【書評】人生100年時代では生き方がガラリと変わる『ライフシフト』
NAO
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こんにちは、NAOです。ビジネス書グランプリ2017で総合グランプリを勝ち取った『LIFE SHIFT』を読みました。人生について考えさせられる良書でした。
長寿が加速するとどうなるか
「100年生きるとこれまでの3ステージの生き方は機能しない」
これが本書の主張となります。3ステージとは教育・仕事・引退という人生です。つまり、100年生きるなら「学校を卒業して、会社に入り、定年退職する」という生き方はできません。
本書では以下の3人の人生を考えながら論証していきます。
- 1945年生まれのジャック
- 1971年生まれのジミー
- 1998年生まれのジェーン
ジャックの場合、平均寿命が70歳前後にとどまり、政府と企業の支援が手厚かったために、3ステージの生き方がお金の面で非常にうまく機能していた。
これまで3ステージの人生で上手くいっていたのはなぜなのか。それは寿命が短かったからです。65歳で引退してから5年ほど生きられる貯蓄があればよかったのです。
しかし、100年生きる可能性のある人(ジェーン)の場合は違います。65歳で引退すると35年間生きられる貯蓄が必要です。
65歳で引退して、しかも最終所得の50%の生活資金を確保するには、勤労期間に毎年所得の25%を貯蓄しなくてはならない。
(中略)
もし公的年金をまったく受け取れないとすれば、勤労期間に必要な貯蓄率は31%に跳ね上がる。
35年間生きるためには、毎年収入の31%の貯蓄が必要です。これは簡単なことではありません。努力して貯蓄し続けるのか、新たな生き方を模索するのか、選択せねばなりません。
働き方も変えねばならない
「貯蓄を増やすのではなく、80歳くらいまで働けばいい」そんな選択肢もあります。しかし、それでもこれまでの終身雇用の考え方はできなくなります。勤労期間が長くなることによる問題です。
ほぼすべての論者が一致している点がある。それは、いまテクノロジーが労働市場を激しく揺さぶっており、激変は今後も続くだろうという点だ。
インターネットの登場、ロボット、AIなどテクノロジーの発展により、様々な職が失われると同時に新たな雇用も生み出しています。
長く働けば、同じ仕事をずっと続けられる可能性が低くなります。
そんな観点からも3ステージの生き方は難しくなってきます。
3ステージからマルチステージへ
3ステージの生き方ができないならジェーンはどう100歳まで生きていけばいいのか。本書の後半ではその問題解決を提案します。
単に無目的に生きる若者たちとの違いは、無形の資産を築き、選択肢を増やすために、積極的に取り組むという点だ。具体的には、有益な基礎スキルを身に着け、オンライン上で評判を確立するという形で、生産性資産を築く。そしてジャックとは異なり、目的意識をもってさまざまな土地を旅し、多様な人々と知り合うことにより、変身資産も充実させる。
多様な働き方に対応するための柔軟性(変身資産)や仕事で所得を増やすのに役立つ力(生産性資産)を積極的に増やしていきます。
さいごに
かなりじっくり読まないと理解できない本格的な本でした。しかし、その辺の本を10冊読むより、本書を1冊読む方がずっといい読書体験ができると思います。
「余暇時間にただ遊ぶのではなく、自己投資を行うこと」
これこそが100年生きるために大切なのだと感じました。
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