受験まで残りわずか。「もう間に合わない」と諦める前に知るべき、直前期に伸びる子の勉強法

この記事を書いた人
NAO / 家庭学習法アドバイザー

大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』

受験まであとわずか。

模試の判定がDやE判定のまま。過去問を解いても合格点には遠く届かない。

「このままで本当に合格できるの……?」
「もう時間がないのに、何をやればいいかわからない」

そんな焦りを抱えていませんか?

 
塾に通わせているのに模試の点数が伸びなくて……。内申は良いのですが、このままでは志望校に届かないんじゃないかと不安で仕方ありません。

この気持ち、本当によくわかります。

お子さんのために情報を集め、塾に通わせ、声をかけ続けてきた。それでも結果がついてこない。保護者として、これほどつらいことはありませんよね。

でも、ここで一つだけ知っておいてほしいことがあります。

受験直前期は、実は一番成績が伸びやすい時期なんです。

私はこれまで塾講師として、D判定からの逆転合格を何人も見てきました。最後の2か月で偏差値が10上がった子もいます。

彼らに共通していたのは「たくさん勉強したこと」ではありません。

「勉強法を正しく変えた」ことでした。

目次

伸びない子がやってしまっている「よくある勉強法」

受験直前期に成績が伸びない子には、共通点があります。

それは、模試や過去問を「解きっぱなし」にしていることです。

 
過去問は解いてるよ。解き直しもしてるし……。

こう言う子に詳しく聞いてみると、だいたい次のような勉強になっています。

  • 解き直しはしたけど、1回だけ
  • 答えを見て「あーそうか」で終わり
  • できなかった問題より、新しい問題をどんどん解く

実は、これこそが成績が伸びない最大の原因なんです。

NAO
「解き直しをした」と「次にできるようにした」は、まったく別物なんです。

「わかった」と「できる」の決定的な違い

なぜ、解き直しを1回しただけでは成績が上がらないのでしょうか?

それは、「わかった」と「できる」はまったく別物だからです。

答えを見た直後は覚えているから解ける。でも、1週間後のテストでは忘れている。だから、また間違える。

この繰り返しで「勉強しているのに伸びない」という状態が続いてしまうんです。

 
確かに、うちの子も「この問題やったことある」と言いながら、テストでは間違えていました……。

これは、お子さんの記憶力が悪いわけではありません。

人間は忘れる生き物です。

1回見ただけで覚えられる人なんて、ほとんどいません。勉強ができる子でも、最低5回は解き直しています。記憶力に自信がないなら、10回でも普通です。

つまり、「解き直しの回数が足りない」ことが、成績が伸びない本当の原因なんです。

最後に伸びる子がやっている「たった1つのこと」

では、受験直前で一気に伸びる子は何をしているのか。

答えはシンプルです。

「模試や過去問で間違えた問題を、次は絶対に解けるようにする」

これだけです。

NAO
新しい問題を10問解くより、間違えた1問を5回解き直すほうが、点数は確実に上がります。

具体的には、こんな流れで取り組みます。

解き直しの「正しいやり方」

  1. 間違えた問題を、その場で3回解き直す
  2. 翌日にもう1回解く
  3. 週末にもう1回解く
  4. テスト前に最終確認する

これで「わかった」が「できる」に変わります。

「そんなに何回もやるの?」と思うかもしれません。でも、これが勉強ができる子の”普通”なんです。

勉強ができない子が1回しかやらないことを、できる子は5回、10回とやっている。才能の差ではなく、回数の差。それだけのことなんです。

受験直前「20〜30点」を確実に上げる具体的な方法

 
具体的に何から始めればいいですか?

まず、最近の模試や実力テストを引っ張り出してきてください。

そして、間違えた問題を3つに分けます

間違いの分類

① 覚えていたのにミスした問題
→ 計算ミス、ケアレスミスなど

② わかっていたけど忘れていた問題
→ 見覚えはあるのに、解き方が出てこなかった

③ そもそもわからなかった問題
→ 解説を読んでも理解できない

NAO
ここがポイントです。①と②だけで、20〜30点上がる子も珍しくありません。

①と②は、解き直しを徹底するだけで次は正解できます

特に①の「ミス」は、本人も保護者も「ケアレスミスだから仕方ない」と軽く見てしまいがちです。

でも、ミスをする実力だったと考えてください。スポーツでも「たまたまのミス」は、実力として評価されますよね。

ミスを減らすには練習あるのみ。何度も解き直して、「ミスしない状態」を体に染み込ませることが必要です。

③の「そもそもわからなかった問題」は、基礎に戻る必要があります。時間がかかるので、まずは①と②を完璧にするのが先決です。

受験直前だからこそ「全部やろう」をやめる

 
でも、苦手な単元もあるし、新しい問題集もやりたいし……。

気持ちはわかります。

でも、受験まで残りわずかだからこそ、「全部やろう」ではなく「確実に取れる問題を増やす」に集中してください

多くの受験生が、直前期に新しい問題集に手を出して失敗します。

「この問題集もやらなきゃ」「あの参考書も読まなきゃ」と焦って、結局どれも中途半端に終わる。

解き直しが不十分なまま本番を迎えて、「この問題、前にもやったのに……」と悔やむことになります。

NAO
新しい問題を100問解くより、間違えた問題を完璧にする方が、確実に点数は上がります。

模試・過去問は「合否の占い」ではなく「合格への地図」

模試や過去問の結果を見て、一喜一憂していませんか?

「D判定だった……」と落ち込む。
「E判定だからもう無理」と諦める。

その気持ちはわかります。でも、模試の本当の価値は判定ではありません

NAO
模試は「合否を占うもの」ではなく、「伸びしろを教えてくれる地図」なんです。

判定に落ち込む暇があったら、間違えた問題を分析してください

「どこで点を落としたのか」
「なぜ間違えたのか」
「次にどうすれば正解できるのか」

これを徹底的に分析して、一つひとつ潰していく。

間違えた問題こそが、お子さんの「あと10点、20点」を埋める鍵なんです。

「最後に伸びた子」の実例

ある中3の生徒の話をさせてください。

その生徒は、11月の模試でD判定。偏差値60の志望校に対して、偏差値は52。正直、かなり厳しい状況でした。

保護者の方も「志望校を変えたほうがいいのでは」と迷っていました。

でも、私は一つだけアドバイスしました。

「新しい問題集はやめて、模試で間違えた問題だけを完璧にしてください」

その生徒は、素直にそれを実行しました。

11月から1月までの約2か月間、やったことはシンプルです。

  • 模試で間違えた問題を全て印刷
  • 3日ごとに解き直し
  • できなかった問題は翌日にもう一度
  • 週末にまとめて総復習

新しい問題集は一切買いませんでした。

結果、1月の最終模試で偏差値は58に。本番では見事に志望校に合格しました。

 
「あの時、焦って問題集を増やさなくてよかった」と、保護者の方がおっしゃっていたのが印象的でした。

保護者ができる「たった一つのサポート」

 
親として何をすればいいでしょうか?

一つだけお願いがあります。

お子さんの模試や実力テストを一緒に見てあげてください

点数ではなく、「どこで間違えたか」を一緒に確認するんです。

「この問題、解き直しした?」
「次に同じ問題が出たら解ける?」

こう声をかけるだけで、お子さんの意識は変わります。

NAO
「勉強しなさい」と言うより、「この問題、一緒に見てみよう」の方が、何倍も効果があります。

保護者の方は、すでに十分がんばっています。

あれこれ言いすぎる必要はありません。「間違えた問題を次にできるようにする」という方向だけ、一緒に確認する

それだけで、お子さんは確実に伸びていきます。

受験まで残りわずかでも、まだ間に合う

「もう時間がない」
「今さら勉強法を変えても遅い」

そう思っていませんか?

でも、「時間がない」と思えるということは、それだけ本気になった証拠です。

1か月前は、残り時間のことなんて考えていなかったはず。今、焦っているということは、真剣に向き合えているということです。

だからこそ、高い集中力を持って勉強できる。

「時間がないから諦める」ではなく、「時間がないから正しいやり方で勉強する」

これを選んでください。

まとめ:受験直前期に成績を伸ばす3つのポイント

最後に、今日の内容をまとめます。

① 解き直しは「1回」では足りない
→ その場で3回、翌日、週末、テスト前と繰り返す

② 間違いを3つに分類して優先順位をつける
→ ミス・忘れていた問題を先に完璧にする

③ 新しい問題集に手を出さない
→ 間違えた問題を完璧にする方が確実に点が上がる

NAO
模試や過去問は「合否の占い」ではなく、「合格への地図」。間違えた問題こそが、お子さんの伸びしろです。

正しい勉強法に変えるだけで、残りの時間でも成績は面白いほど伸びます。

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NAO

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順調だった中学時代
  • 中学生時代はオール5、テスト450点超え
  • 自分は勉強の才能があると思ってた
  • 本当は塾に言われた勉強法のとおりにやっただけ
  • 偏差値70の高校へ入学
勉強に自信をなくした高校時代
  • 高校で塾に行かなくなり成績が急降下
  • 周りのレベルが高いためと思っていたが嘘だった
  • 全国共通模試でも偏差値50以下まで低下
  • なぜか阪大を受験し当然のように玉砕
  • 勉強の才能がなかったと気づく
勉強法の大切さに気づいた浪人時代
  • 浪人し、勉強法にもいろいろあると知り学び直す
  • 中学時代と高校時代での勉強法の違いに気づく
  • 中学時代の勉強法をベースに研究し勉強法を正す
  • 半年でE判定からA判定へ上がり阪大へ合格
  • 勉強は才能ではなく、やり方ではないか?
勉強法の威力を確信した塾講師時代
  • 塾講師や家庭教師として生徒にも勉強法を教える
  • 27点→73点、80点→90点超え連発、D判定→合格など劇的な成績アップ
  • 勉強は才能の問題ではなく、勉強法が大切と確信
  • 全ての人に勉強の才能はある
  • 生徒の「勉強って将来役立つの?」の疑問を研究したい想いが強くなる
子どもの将来のために「勉強法を今すぐ正すべき」だと確信
  • 商社、ベンチャーとビジネスの世界を渡り歩く
  • マネージャー、経営企画、人事の立場でビジネスパーソンの成功成長に向き合う
  • 成長し続けられる力こそ要だと確信を持つ
  • 正しい勉強法は、成長法則そのものだと気づく
  • そこが高学歴で仕事ができる人と、高学歴でも仕事が苦手な人の違いそのもの
  • 本質的な「正しい勉強法」は、今の成績にも、受験にも、将来にも必ず役立つと確信を持つ

勉強が伸び悩むのは才能ではなく、やり方が間違っているだけです。

でも、テクニック的に勉強して、テストの点数や合格だけとっても、将来に役に立ちません。

でも、本質的な考えに基づいて勉強すれば、テストも劇的に伸び、将来にも応用が効きます。

正しく勉強できれば、成績は伸び、受験も合格でき、何よりも将来に活きるんです

逆に、正しく勉強できなければ、がんばっても結果が出ず、「才能がない」と思い込んでしまいます。

勉強は才能ではなく、やり方の問題です。正しくやれば、誰でも面白いほど伸びます。

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