【元塾講師が解説】中学生の問題集の正しい選び方｜成績アップする子が見ている3つのポイント

書店やネットで検索すれば、山ほど出てくる中学生向けの問題集。でも、その中から「成績アップに本当に効く一冊」を選べているご家庭は、意外と少ないのが現実です。

私はこれまで、数百人の中学生の成績アップや志望校合格をサポートしてきました。その経験から断言できるのは――

問題集選びは「戦略」です。適当に選んだ教材では、どれだけ時間をかけても成績は伸びません。

この記事では、私が実際に生徒の学習カリキュラムを組むときに必ずチェックしている「問題集選びの3つのポイント」をお伝えします。

結論：見るべきは「3つのポイント」

問題集を選ぶときに見るべきポイントは、たった3つです。

1. 「はじめに」の説明文
2. 「得意な問題」の解答
3. 「難しいと感じた問題」の解答

では、順番に解説していきましょう。

1. 「はじめに」で問題集の”目的”をチェック

多くの人が見落としがちですが、最初に読むべきなのが「はじめに」や「この本の使い方」などのページです。

たとえば――

• 「定期テスト対策に最適！」
• 「高校受験の基礎固め用」
• 「難関校を目指す応用力トレーニング」

といったように、レベルや目的が明確に示されています。

逆にいえば、「今の自分の目標とズレている」問題集を選んでしまうと、ただの遠回りになってしまうのです。

2. 「得意な問題」の解答をチェックする

次に見てほしいのが、自分の得意な分野の問題とその解答です。

得意な問題の解答を見ることで、以下のようなことがわかります。

• 丁寧な解説があるか？
• 考え方のプロセスが載っているか？
• 単なる答え合わせではなく、理解につながるか？

もし答えが「◯」「x＝3」だけで終わっているようなら、それは「成績が伸びにくい」問題集です。

苦手単元だけだと、「自分がわかっていないのか？」「問題集が不親切なのか？」が判断がしにくいです。

得意単元で、解説の丁寧さをサクッとチェックしましょう。

3. 「難しいと感じた問題」の解答がわかりやすいか？

ここが最も重要なチェックポイントです。
実際に問題集を解いたことを想定して、「ちょっと難しいな」と思いそうな問題を見つけましょう。そしてその解答・解説が、自力で理解できるか？を確認してください。

なぜ「難しい問題の解答」が重要なのか？

成績アップの鍵は、「できない問題をできるようにすること」。

そのためには「理解」が必須になります。

つまり、「解説のわかりやすさ＝学習効率」なのです。

理解できない解説を読んでいると、次第に子どもはこうなります。

「難しい＝悪い」ではない！見極めるべきは”タイミング”

よく言われるのが、「わかる問題が7〜8割の教材がちょうどよい」という考え方です。確かにそれは一般的な基準です。

でも、私はこう考えます。

解答を読んで理解できるなら、わからない問題が多くてもOK！

ただし条件があります。

• 解答が親切で、丁寧に書かれていること
• 読めば理解できるレベルであること

逆に、次のような場合は要注意です。

• 解答が簡素すぎて理解できない
• そもそも前提知識が足りていない

たとえば、九九があやふやな子に二桁の掛け算の筆算をやらせるのは、あまりにも酷ですよね。

問題集が難しく感じたときの判断基準

「有名だから」「レビューが高評価だから」と選んだ問題集が難しく感じられたとき、次のどちらかをチェックしましょう。

パターン①：解答が不親切

• 解説が省略されている
• なぜその答えになるかが書かれていない

→この場合は問題集が悪いです。違う問題集を選んだ方が良いと言えます。

パターン②：学力段階に合っていない

• 丁寧そうな解説なのに、知らない用語がある
• 解説は豊富だけど、何を言っているのかわからない

→「問題集の解説はわかりやすそうなのに、わからない」と感じる場合は自分の基礎が固まっていない可能性が高いですい。一段階レベルを下げて、土台から固めることが必要です。

難しい問題集は選んではいけないのか？

「難しめの問題集をやれば成績が伸びる」というのは講師が解説やサポートをしてくれる環境があるからできること。

でも、家庭学習では、「自力で理解できること」が前提になります。

まとめ｜問題集は「本人に合うかどうか」が最も大切

最後に、大事なポイントをまとめます。

• 「はじめに」で問題集の目的を確認する
• 得意な問題の解答で「解説の質」をチェック
• 難しい問題の解答が「自力で理解できるか」が最重要
• わからない問題が多くても「読んで理解できる」ならOK
• わかりやすい問題集でも難しいと感じたら、土台からやり直そう

そして、もし問題集選びで迷ったら――

「わからない問題でも、解答を読めば自分で理解できるか？」
この一点だけは、絶対に外さないようにしてください。