「理科と社会、あんなに暗記したのにテストでは思い出せなかった…」実は9割の中学生がやっている間違った暗記法とは

この記事を書いた人
NAO / 家庭学習法アドバイザー

大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』

 
テスト前に必死に覚えたのに、本番では全然思い出せなかった…

こんな悔しそうな声を、テスト返却のたびにお子さんから聞いていませんか?

特に理科と社会。「暗記科目だから覚えれば点が取れる」と思って一生懸命覚えたはずなのに、なぜか平均点を超えられない。

実はこれ、お子さんの記憶力の問題ではありません

暗記の方法そのものが根本的に間違っているんです。

目次

なぜ「覚えたはず」なのにテストで思い出せないのか

先日、私が指導した中3生の話をさせてください。

その生徒は理科が苦手で、定期テストはいつも50点台。お母さんからは「うちの子は理系が苦手みたいで…」という相談を受けていました。

テスト前の勉強の様子を聞いてみると、こんな感じでした。

  • 教科書を何度も読み返す
  • 重要語句にマーカーを引く
  • ノートに用語をきれいにまとめる
  • 寝る前に暗記カードで確認
 
これだけやっているのに、どうして点数が上がらないんでしょうか?

答案用紙を見せてもらうと、興味深いことがわかりました。

選択問題は比較的できているのに、記述問題や用語を答える問題がボロボロだったんです。

つまり、「なんとなく見覚えがある」レベルの記憶にしかなっていなかったということです。

「読んで覚える」が失敗する科学的な理由

ここで、記憶のメカニズムについて少し説明させてください。

人間の脳には「認識記憶」と「再生記憶」という2つの記憶の仕組みがあります。

認識記憶は「見たことがある」「聞いたことがある」という記憶。選択問題で「これかな?」と選べるレベルです。

再生記憶は「自分で思い出して書ける」記憶。記述問題で正解するために必要な記憶です。

教科書を読むだけ、マーカーを引くだけの勉強では、認識記憶にしかなりません。

NAO
野球の素振りを見ているだけでは打てるようになりませんよね。実際にバットを振らないと身につかない。暗記も同じなんです!

よくある間違った暗記法TOP3

多くの中学生がやってしまっている間違った暗記法をご紹介します。

1. 教科書を何度も読むだけ暗記

「5回読めば覚えられる」なんて言われることもありますが、これでは認識記憶にしかなりません。

テスト本番で「あれ?なんだっけ…見たことはあるんだけど…」となってしまうパターンです。

2. きれいにノートまとめをする暗記

カラフルなペンを使って、図や表を丁寧に書き写す。一見勉強している感じがしますが、これは「作業」であって「暗記」ではありません

ノートを作ることに満足してしまい、肝心の記憶に定着していないことが多いんです。

3. 暗記カードを眺めるだけ暗記

暗記カードを作ったはいいけれど、答えをすぐに見てしまう。これでは「確認」にはなっても「暗記」にはなりません。

自分で思い出す練習をしていないから、テストで書けないんです。

間違えた問題を3回解き直すだけで劇的に変わる理由

では、どうすればいいのか。

答えはシンプルです。「問題を解く」ことを中心にした暗記法に変えるだけです。

先ほどの中3生には、こんな勉強法を実践してもらいました。

  1. まず教科書を1回読む(理解のため)
  2. すぐに問題集を解く
  3. 間違えた問題に印をつける
  4. 間違えた問題だけを、その場で3回解き直す
  5. 週末にもう一度、間違えた問題を解く
  6. テスト前に、印のついた問題を総復習
 
え?たったこれだけ?
NAO
はい!でも効果は絶大なんです。実際にやってみた結果をお見せしますね

1ヶ月後の定期テストの結果

  • 理科:52点 → 81点(29点UP)
  • 社会:48点 → 76点(28点UP)

お母さんからは「こんなに短期間で上がるなんて信じられません!」という嬉しい声をいただきました。

本人も「問題を解いてから覚えるようにしたら、テストの時にスラスラ書けた」と驚いていました。

なぜ「解き直し」がこんなに効果的なのか

脳科学の研究では、「検索練習効果」というものが証明されています。

これは、情報を思い出そうとする行為そのものが、記憶を強化するという現象です。

ゲームで例えると分かりやすいでしょう。

ポケモンの名前って、図鑑を眺めているだけでは覚えられませんよね。でも、バトルで「このポケモンには何が効果的だっけ?」と考えながらプレイしていると、自然に覚えてしまう。

使うから覚える。思い出すから定着する。

これが記憶の本質なんです。

NAO
「暗記」は「覚える作業」ではなく「使える状態にする練習」なんです!

今すぐできる!効果的な暗記法の3つのポイント

ポイント1:間違えたらすぐに3回

間違えた問題は、答えを見た直後に3回解き直します

「答えを覚えているから意味がない」と思うかもしれませんが、それでいいんです。

正しい答えを書く動作を繰り返すことで、脳が「これは重要な情報だ」と認識します。

ポイント2:時間を空けて再チャレンジ

その場で3回解いても、1週間後には忘れている可能性があります。

だから週末にもう一度、印をつけた問題だけを解く

この「時間を空けた復習」が長期記憶への定着を促します。

ポイント3:テスト前は印のついた問題だけ

テスト前に全範囲をやり直すのは時間のムダです。

過去に間違えた問題(印のついた問題)だけを集中的に解き直す

これが最も効率的な復習方法です。

「うちの子には難しそう…」と思った保護者の方へ

 
でも、うちの子は問題集を解くのも嫌がるんです…

そんな声が聞こえてきそうです。

確かに、最初は抵抗があるかもしれません。今まで「読むだけ」で済ませていた勉強が、「解く」勉強に変わるわけですから。

でも、考えてみてください。

今のやり方で結果が出ていないなら、同じことを続けても結果は変わりません

方法を変えるだけで、同じ勉強時間でも効果は3倍以上になります。

実際、私が指導した生徒の中には、最初は「めんどくさい」と言っていた子もいました。

でも、1回でも点数が上がる経験をすると、自分から進んでやるようになります

できる」という実感が、何よりのモチベーションになるんです。

保護者ができる3つのサポート

お子さまのために、ぜひ次の3つのポイントを意識してサポートしてあげてください。

1. 問題集を用意する

学校のワークがあればそれでOK。なければ、基礎的な問題集を1冊用意してあげてください。

たくさんの問題集は必要ありません。1冊を完璧にする方が効果的です。

2. 「読んだ?」ではなく「解いた?」と聞く

勉強の確認をするときは、「教科書読んだ?」ではなく「問題解いた?」と聞いてあげてください

これだけで、お子さんの勉強への意識が変わります。

3. 間違いを責めない

間違えることは悪いことではありません。間違えた問題こそが、成長のチャンスです。

「間違えたところを3回やり直したの?えらいね」と、過程を褒めてあげてください

NAO
間違いがあったというのは「伸びしろを見つけられた」ということです!

まとめ:暗記は「覚える」ではなく「使える状態にする」こと

今回お伝えしたかったことは、たった一つです。

暗記科目で点が取れないのは、記憶力の問題ではなく、方法の問題だということ。

読むだけ、見るだけの暗記から、問題を解く暗記に変えるだけで、驚くほど結果が変わります。

もちろん、最初は慣れないかもしれません。

でも、正しい方法で1ヶ月続ければ、必ず結果は出ます

お子さんは決して「暗記が苦手」なわけではありません。

正しい暗記の方法を知らなかっただけなんです。

 
こんなに点数が上がるなんて!勉強が楽しくなってきた!

次の定期テストで、お子さんからこんな嬉しい声が聞けることを楽しみにしています。

勉強法を変えるだけで、短期間でも面白いほど伸びるようになります。

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NAO

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  • 偏差値70の高校へ入学
勉強に自信をなくした高校時代
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  • 周りのレベルが高いためと思っていたが嘘だった
  • 全国共通模試でも偏差値50以下まで低下
  • なぜか阪大を受験し当然のように玉砕
  • 勉強の才能がなかったと気づく
勉強法の大切さに気づいた浪人時代
  • 浪人し、勉強法にもいろいろあると知り学び直す
  • 中学時代と高校時代での勉強法の違いに気づく
  • 中学時代の勉強法をベースに研究し勉強法を正す
  • 半年でE判定からA判定へ上がり阪大へ合格
  • 勉強は才能ではなく、やり方ではないか?
勉強法の威力を確信した塾講師時代
  • 塾講師や家庭教師として生徒にも勉強法を教える
  • 27点→73点、80点→90点超え連発、D判定→合格など劇的な成績アップ
  • 勉強は才能の問題ではなく、勉強法が大切と確信
  • 全ての人に勉強の才能はある
  • 生徒の「勉強って将来役立つの?」の疑問を研究したい想いが強くなる
子どもの将来のために「勉強法を今すぐ正すべき」だと確信
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  • 本質的な「正しい勉強法」は、今の成績にも、受験にも、将来にも必ず役立つと確信を持つ

勉強が伸び悩むのは才能ではなく、やり方が間違っているだけです。

でも、テクニック的に勉強して、テストの点数や合格だけとっても、将来に役に立ちません。

でも、本質的な考えに基づいて勉強すれば、テストも劇的に伸び、将来にも応用が効きます。

正しく勉強できれば、成績は伸び、受験も合格でき、何よりも将来に活きるんです

逆に、正しく勉強できなければ、がんばっても結果が出ず、「才能がない」と思い込んでしまいます。

勉強は才能ではなく、やり方の問題です。正しくやれば、誰でも面白いほど伸びます。

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