「解き直し5回やってるのに偏差値50で止まる」その解き直し、実は意味がなかった理由

この記事を書いた人
NAO / 家庭学習法アドバイザー

大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』

 
うちの子、間違えた問題を5回も解き直しているのに、なぜか成績が上がらないんです…

「解き直しが大切」と日々発信していると、このような相談を頂くことがあります。まじめに勉強しているのに結果が出ない。これほど辛いことはありませんよね。

でも、ちょっと待ってください。その「解き直し」、本当に解き直しになっているでしょうか?

実は、多くの中学生がやっている「解き直し」は、ただの答え写しになってしまっているんです。これが成績が伸びない最大の原因かもしれません。

目次

なぜ「5回も解き直し」しているのに成績が上がらないのか

よくある間違った解き直しの実態

多くの中学生がやっている「解き直し」を観察してみると、こんな光景をよく目にします。

間違えた問題に赤ペンで正解を書き込む。そして、その答えをノートに3回、5回と書き写す。「これで覚えた!」と満足して次の問題へ。

一見まじめに勉強しているように見えますよね。保護者の方も「うちの子はちゃんと復習している」と安心されるかもしれません。

でも、これではどれだけ回数を重ねても実力はつきません

なぜなら、これは「答えを覚える作業」であって、「問題を解けるようになる練習」ではないからです。

NAO
料理に例えると、レシピを5回書き写しても、料理が上手にならないのと同じです。実際に包丁を握って、火加減を調整して、味見をして…という実践がなければ料理は作れるようになりませんよね

「答えを覚える」と「解けるようになる」の決定的な違い

テストで出題される問題は、問題集とまったく同じではありません。数字が変わったり、聞かれ方が変わったり、応用が入ったりします。

答えだけを覚えていても、少し違う問題が出たら太刀打ちできないのです。

実際、定期テストでは点が取れるのに、実力テストや模試では点が取れない生徒の多くが、この「答え暗記型」の勉強をしています。定期テストは範囲が狭いので答えを覚えれば何とかなることもありますが、範囲の広い実力テストでは通用しないんです。

本当の解き直しとは?偏差値50→61を実現した方法

私が指導した中3生の実例

私が指導した中3生の話をさせてください。

その生徒は偏差値60以上の高校に憧れていましたが、どれだけ勉強しても偏差値50付近で停滞。本人も保護者の方も「もう無理なのかな…」と諦めかけていました。

「問題集は5回も繰り返しているのに、なんで伸びないんですか?」

そう相談されたとき、実際の勉強の様子を見せてもらいました。すると、まさに先ほど説明した「答え写し」をしていたんです。

赤ペンで答えを書いて、それを何度も書き写す。確かに5回は解いていました。でも、自力で解いたのは最初の1回だけ。あとの4回は答えを見ながら書いているだけでした。

 
でも、答えを覚えないとテストで解けないじゃないですか…
NAO
大切なのは答えではなく「解き方」を身につけることなんです!

ステップ1:解説を徹底的に理解する

まず変えたのは、間違えた問題の解説をじっくり読むことでした。

ただ読むだけではありません。「なぜこの式を使うのか」「どこでこの公式を思いつくのか」「問題文のどの部分がヒントになっているのか」を一つずつ確認していきます。

数学なら式の意味を理解し、英語なら文法のルールを確認し、理科なら原理原則に立ち返る。この作業に最初は1問10分以上かかることもありました。

ステップ2:何も見ずに白紙から解く

解説を理解したら、解説も答えも見ずに、白紙の状態から自力で解きます

これが本当の解き直しです。

最初は「さっき見たばかりなのに解けない…」ということがよくありました。それは解説を「見た」だけで「理解」していなかった証拠です。

解けなかったらもう一度解説に戻る。理解したらまた白紙から解く。これをその場で解けるようになるまで繰り返します

ステップ3:時間を空けて再チャレンジ

その場で解けるようになっても、時間が経つと忘れてしまいます。だから、翌日、週末、テスト前と時間を空けて解き直します。

ポイントは、毎回「白紙から自力で解く」ことです。答えを見て「あー、そうだった」では意味がありません。

間違った勉強法から正しい勉強法へ変える方法

今すぐできる「本当の解き直し」

では、具体的にどうやって実践すればいいのか、教科別に説明します。

数学の解き直し方法

  1. 間違えた問題の解説を読む(答えだけでなく途中式も確認)
  2. なぜその公式を使うのかを自分の言葉で説明してみる
  3. 解説を閉じて、白紙に問題を書き写す
  4. 自力で最初から最後まで解く
  5. できなければ2に戻る
NAO
数学は「パターン認識」が大切です。問題文のどの部分を見て、どの解法を選ぶのか。この判断力を鍛えることが実力アップにつながります

英語の解き直し方法

  1. 間違えた理由を分析(単語?文法?読み取り?)
  2. 文法問題なら、その文法ルールを参考書で確認
  3. 問題文を音読して文構造を理解
  4. 解説を見ずに、もう一度問題を解く
  5. 類題を1〜2問解いて定着を確認

理科・社会の解き直し方法

  1. 間違えた問題の背景知識まで確認
  2. 教科書や資料集で関連事項をチェック
  3. 「なぜそうなるのか」を説明できるようにする
  4. 問題を自力で解き直す
  5. 関連する別の問題も解いてみる

解き直しノートの作り方

効果的な解き直しのために、専用のノートを作ることをおすすめします。

ノートの左側に問題を貼り(またはコピー)、右側は空白にしておきます。解き直すときは右側に解答を書きます。これなら何度でも練習できますし、自分の成長も実感できます。

また、間違えた問題には印をつけておくことが大切です。1回目は△、2回目も間違えたら××、3回目でやっと○…という具合に記録しておけば、自分の苦手な問題が一目瞭然です。

なぜ多くの生徒が「答え写し」をしてしまうのか

時間がないという焦り

 
塾の宿題も多いし、部活もあるし…じっくり解き直している時間なんてありません

お気持ちはよくわかります。確かに中学生は忙しいですよね。

でも、考えてみてください。効果のない勉強を5回するより、効果的な勉強を2回する方が結果は出ます

答え写しを5回やっても実力はつきません。それなら、しっかりとした解き直しを2回やる方が確実に成績は上がります。

「やった気」になってしまう罠

もう一つの理由は、答えを写すと「勉強した気」になってしまうことです。

ノートがどんどん埋まっていく。問題集に○×がたくさんつく。これを見ると「がんばった!」と満足してしまいます。保護者の方も「こんなにやっているんだから大丈夫」と安心してしまうかもしれません。

でも、量ではなく質が大切なんです。

プロ野球選手が素振りをするとき、ただバットを振り回すだけでは上達しません。一振り一振り、フォームを意識し、どこにボールを飛ばすかイメージしながら練習するから上手くなるんです。勉強も同じです。

3ヶ月で偏差値が11上がった生徒のその後

最初の2週間は苦戦の連続

先ほどの中3生の話に戻ります。

正しい解き直しを始めた最初の2週間は、正直大変でした。今まで30分で終わっていた宿題が1時間かかるようになったんです。

「前の方が楽だった…」と弱音を吐くこともありました。

でも、2週間を過ぎた頃から変化が現れました。

 
あ、この問題、前に似たのを解いた!解き方がわかる!

そんな瞬間が増えてきたんです。

1ヶ月後:定期テストで初めての手応え

1ヶ月後の定期テストでは、数学が68点から82点にアップ。本人も「テスト中に『解ける!』って感覚があった」と喜んでいました。

保護者の方も「今までと何か違う気がする」とおっしゃっていました。それは、本当の実力がついてきた証拠でした。

3ヶ月後:偏差値61を達成

そして3ヶ月後の模試。偏差値は50から61まで上昇しました。

特に数学と理科の伸びが顕著で、「応用問題も解けるようになった」と本人も驚いていました。

NAO
書き写すだけじゃ頭に入らなかったんだ、と気づいてくれたことが一番の成長でしたね

最終的に、第一志望だった偏差値60以上の高校に見事合格。「諦めなくてよかった」と親子で泣いて喜ばれていたのを今でも覚えています。

保護者の方ができるサポート方法

「何回やった?」より「理解できた?」を聞く

お子さんの勉強を見守る際、つい「宿題終わった?」「何回解いた?」と聞いてしまいがちです。

でも、これからは「理解できた?」「自力で解けるようになった?」と聞いてみてください。

量より質を重視する姿勢を示すことで、お子さんの勉強への取り組み方も変わってきます。

間違いを責めない環境づくり

間違えることは悪いことではありません。むしろ間違えた問題こそが成長のチャンスです。

「また間違えたの?」ではなく「間違えた問題がわかってよかったね。これができるようになれば成績上がるよ」と前向きな声かけをしてあげてください。

小さな成長を認める

「前は解説を見ても理解できなかったのに、今日は理解できた」
「この前は3回目で解けたけど、今回は2回目で解けた」

こんな小さな成長を見逃さず、認めてあげることが大切です。

まとめ:才能ではなく方法の問題

 
うちの子には勉強の才能がないのかも…

そんなことは絶対にありません。

成績が伸びないのは、才能の問題ではなく方法の問題です。

今回紹介した「本当の解き直し」は、誰でもできる方法です。特別な能力は必要ありません。必要なのは、正しい方法を知って、それを実践することだけです。

答え写しから本当の解き直しへ。この変化だけで、お子さんの成績は確実に変わります。

最初は時間がかかるかもしれません。でも、2週間、1ヶ月と続けていけば、必ず「わかった!」という瞬間が増えてきます。そして3ヶ月後には、今とは違う景色が見えているはずです。

NAO
偏差値50で停滞していた生徒が61まで伸びたように、お子さんにも必ず可能性があります。諦める必要はまったくありません

勉強法を変えるだけで、短期間でも面白いほど伸びるようになります。

正しい勉強法についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ下記の無料講座をチェックしてみてください。お子さんの可能性を最大限に引き出すお手伝いができれば幸いです。

「正しい勉強法」は未来を変える

 

がんばっているのに成績が伸びない…

NAO

才能の問題ではありません。勉強法がどこか間違っているだけです!

確信を持って言えます。

勉強ができないのは才能の問題ではありません。ただ、正しい勉強法を知らないだけなんです。

私自身がそれを身をもって経験してきました。次のとおりです。

  • 中学生時代はオール5、テスト450点超え
  • 自分は勉強の才能があると思ってた
  • 本当は塾に言われた勉強法のとおりにやっただけ
  • 偏差値70の高校へ入学
  • 高校で塾に行かなくなり成績が急降下
  • 周りのレベルが高いためと思っていたが嘘だった
  • 全国共通模試でも偏差値50以下まで低下
  • なぜか阪大を受験し当然のように玉砕
  • 勉強の才能がなかったと気づく
  • 浪人し、勉強法にもいろいろあると知り学び直す
  • 中学時代と高校時代での勉強法の違いに気づく
  • 中学時代の勉強法をベースに研究し勉強法を正す
  • 半年でE判定からA判定へ上がり阪大へ合格
  • 勉強は才能ではなく、やり方ではないか?
  • 塾講師や家庭教師として生徒にも勉強法を教える
  • 27点→73点、80点→90点超え連発、D判定→合格など劇的な成績アップ
  • 勉強は才能の問題ではなく、勉強法が大切と確信
  • 全ての人に勉強の才能はある
  • 生徒の「勉強って将来役立つの?」の疑問を研究したい想いが強くなる
  • 商社、ベンチャーとビジネスの世界を渡り歩く
  • マネージャー、経営企画、人事の立場でビジネスパーソンの成功成長に向き合う
  • 成長し続けられる力こそ要だと確信を持つ
  • 正しい勉強法は、成長法則そのものだと気づく
  • そこが高学歴で仕事ができる人と、高学歴でも仕事が苦手な人の違いそのもの
  • テクニック的に勉強してテストの点数や合格だけとっても、将来に役に立たない
  • 本質的な考えに基づいて勉強すると、テストも劇的に伸び、将来にも応用が効く
  • 正しく勉強できれば、自信がつき、将来にも活きる
  • 逆に、正しく勉強できなければ、がんばっても結果が出ず、才能がないと思い込んでしまう
  • そして、勉強は才能ではなく、やり方の問題
  • 正しくやれば、誰でも面白いほど伸びる
  • 「子ども将来のために、勉強法は今すぐ正すべき」だと確信を持つ

こんな想いで、お子さんの将来にも、今の成績にも、受験にも、お役に立てるように日々ブログや各種SNSで発信をしています。

NAO

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また、下記の無料講座では「子どもの成績を7日間で変える」をコンセプトとして、さらに詳しく体系的にご紹介しています。よろしければ、こちらもぜひご活用ください。

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