偏差値55で止まる子と60を超える子の決定的な違い【解き直しの深さが合否を分ける】

この記事を書いた人
NAO / 家庭学習法アドバイザー

大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』

 

問題集もやっているし、塾にも通っている。うちの子、ちゃんと頑張っているのに、なぜか偏差値55前後から伸びないんです……

高校受験を控えた保護者の方から、こうした相談をよくいただきます。

努力している姿を見ているからこそ、成績が伸び悩む姿を見るのはつらいですよね。「もしかして、これが限界なのかな」と思ってしまう気持ちもよくわかります。

でも、実は偏差値55前後で頭打ちになる現象には、明確な原因があります

そして、その原因さえわかれば、偏差値60以上の高校合格は決して手の届かない目標ではないんです。

NAO
今日は、偏差値55で止まってしまう子と60を超えていく子の「決定的な違い」についてお伝えします。
目次

偏差値55までは「答えを覚える勉強」でも到達できてしまう

まず知っておいていただきたいのは、偏差値55くらいまでなら、実は「答えを覚える勉強法」でも到達できてしまうということです。

どういうことか、具体的に説明しますね。

よくある「答えを覚える勉強法」の実態

多くの受験生は、次のような勉強をしています。

  • 問題集を解く
  • 答え合わせをする
  • 間違えた問題の解説を読む
  • 「なるほど、こうやって解くのか」と理解する
  • 次の問題へ進む

一見、ちゃんと勉強しているように見えますよね。

でも実は、この勉強法には大きな落とし穴があるんです。

 
うちの子もこの流れで勉強していますが、何が問題なんでしょうか?
NAO
「理解した」と「できるようになった」は、まったく違うんです。

「理解する」と「できるようになる」の違い

解説を読んで「なるほど」と思えたとき、多くの子どもは「これで理解できた」と感じます。

でも実際には、その問題の「答え」と「解き方」をなんとなく覚えただけなんです。

これは料理に例えるとわかりやすいかもしれません。

料理番組を見て「なるほど、こうやって作るのか」と理解しても、実際に自分で作れるかは別問題ですよね。実際に何度も作ってみて、失敗して、工夫して、やっと「できるようになる」わけです。

勉強も同じです。

解説を読んで理解しただけでは、テストで自力で解けるようにはなりません。

なぜ偏差値55までは通用してしまうのか

ここで不思議に思うかもしれません。

「でも、うちの子はそのやり方で偏差値50以上は取れているんですが……」

そうなんです。偏差値55くらいまでなら、この「答えを覚える勉強法」でも到達できてしまうんです。

なぜなら、偏差値55前後のテストは、基本的な問題や解いたことがある問題と似た問題が中心だからです。

「前に見たことがある問題」なら、答えをなんとなく覚えていれば正解できます。解き方のパターンを覚えていれば、対応できます。

つまり、「本当にできるようになったわけではないのに、点数は取れてしまう」レベルが、偏差値55前後なんです。

NAO
だから、多くの子がここで止まってしまうんですね。

偏差値60の壁を越えられない本当の理由

では、なぜ偏差値55から60への壁は厚いのでしょうか。

偏差値60以上のテストでは「思考力」が問われる

偏差値60以上の高校を目指す場合、テストの難易度が大きく変わります。

  • 初めて見るタイプの問題
  • 複数の知識を組み合わせる問題
  • 条件を読み取って解き方を自分で考える問題

こうした問題が増えるんです。

「答えを覚えている」だけでは、まったく歯が立ちません。

数学の証明問題で考えてみる

わかりやすい例が、数学の証明問題です。

証明問題の解答を丸暗記しても、テストで少し条件が変わっただけで手も足も出なくなってしまう子がいます。

 
うちの子も、練習問題はできるのに、テストになると証明問題が全然書けないんです……

これは、「この問題の答え」を覚えただけで、「なぜこの解き方をするのか」を理解していないからなんです。

  • なぜ、この補助線を引くのか
  • なぜ、この定理を使うのか
  • どこを見れば、その解法に気づけたのか

こうした「思考のプロセス」を理解していないと、少し問題が変わっただけで対応できなくなってしまいます。

英語の長文読解も同じ

英語の長文読解でも同じことが起こります。

問題集の解説を読んで「この単語がわからなかったから間違えた」と納得しても、次のテストでまた違う単語がわからなくて間違える。

これを繰り返している子は、「なぜ間違えたのか」を表面的にしか分析できていないんです。

本当に必要なのは

  • なぜその単語を知らなかったのか(基礎単語が抜けているのか、応用単語が足りないのか)
  • 文脈から意味を推測できなかったのはなぜか
  • 選択肢の切り方がわからなかったのはなぜか

こうした根本的な原因を見つけることです。

NAO
表面的な分析では、同じ失敗を繰り返してしまうんです。

偏差値60を超える子がやっている「解き直しの深さ」とは

では、偏差値60を超えていく子は、何が違うのでしょうか。

答えは、解き直しの深さです。

偏差値55で止まる子の解き直し

偏差値55前後で止まってしまう子の解き直しは、こんな感じです。

  1. 間違えた問題の解説を読む
  2. 「なるほど、こう解くのか」と理解する
  3. もう一度同じ問題を解いてみる
  4. 解説を読んだばかりなので、正解できる
  5. 「できた!」と思って次へ進む

一見、ちゃんと解き直しをしているように見えますよね。

でも実は、これでは「解き方を覚えただけ」で、本当の意味で「できるようになった」わけではないんです。

偏差値60を超える子の解き直し

一方、偏差値60を超えていく子の解き直しは、まったく違います。

実際に私が指導してきた生徒の例をお伝えしますね。

ある中学3年生の生徒が、数学の模試で偏差値53から伸び悩んでいました。

問題集はしっかりやっている。間違えた問題の解き直しもやっている。なのに、模試になると点数が取れない。

そこで、その生徒の「解き直しノート」を見せてもらったんです。

すると、問題の解答が書いてあるだけでした。

「なぜ間違えたのか」「次はどうすれば正解できるのか」といった分析が、まったく書かれていなかったんです。

「深い解き直し」の具体的なやり方

そこで、その生徒には次のような「深い解き直し」の方法を伝えました。

間違えた問題を解き直すとき、次の3つを必ず考える

  1. なぜ間違えたのか(知識不足なのか、読み違いなのか、計算ミスなのか)
  2. どこで気づくべきだったのか(問題文のどこに注目すれば、正しい解法に気づけたのか)
  3. 同じミスをしないために何をするか(この単元を復習する、類題を解く、など)

この3つを、解き直しのたびに書き出してもらったんです。

3ヶ月で偏差値が10上がった理由

最初は「めんどくさい」と言っていた生徒でしたが、続けているうちに変化が起きました。

問題を見たとき、「この問題、前に間違えたあの問題と似ている」と気づけるようになったんです。

そして、「前回は○○で間違えたから、今回は△△に注意しよう」と考えられるようになりました。

この変化が起きてから、模試の成績が急上昇したんです。

3ヶ月で偏差値53から63まで、10ポイント上がりました。

保護者の方は「問題集を変えたわけでもないのに、どうしてこんなに伸びたんでしょう」と驚いていました。

でも、答えは明確です。

解き直しの「深さ」が変わったからです。

NAO
やっている勉強量は変わっていないんです。やり方を変えただけで、これだけ結果が変わるんです。

なぜ「深い解き直し」が効果的なのか

では、なぜ「深い解き直し」がこれほど効果的なのでしょうか。

「パターン暗記」ではなく「思考の型」が身につく

答えを覚える勉強では、「この問題はこう解く」というパターンを暗記するだけです。

でも、深い解き直しをすると、「こういうタイプの問題は、こう考えればいい」という思考の型が身につきます。

この違いは大きいです。

パターン暗記では、まったく同じ問題しか解けません。

でも、思考の型が身につけば、初めて見る問題でも「あ、これはあのタイプの問題だな」と気づいて、適切な解法を選べるようになります。

「なぜ」を考えることで記憶に定着する

心理学の研究でも明らかになっていますが、「なぜ」を考えながら学んだことは、記憶に定着しやすいんです。

ただ暗記するだけより、「なぜそうなるのか」を理解しながら覚えた方が、忘れにくくなります。

これは、受験だけでなく将来の仕事でも同じです。

「言われたとおりにやる」だけの人より、「なぜこのやり方がいいのか」を理解して動ける人の方が、成果を出せますよね。

深い解き直しは、将来にも活きる「本質的な力」を育てる勉強法なんです。

NAO
単なるテクニックではなく、一生使える力が身につきます。

保護者ができるサポート「解き直しの声かけ」

ここまで読んで、「じゃあ、うちの子にも深い解き直しをさせたい」と思った保護者の方も多いと思います。

でも、いきなり「深く分析しなさい」と言っても、子どもはどうすればいいかわかりませんよね。

そこで、保護者ができる具体的なサポート方法をお伝えします。

テスト返却後の声かけを変えてみる

テストが返ってきたとき、こんな会話をしていませんか?

 
「どこが間違ってたの?」
「ここ、解説読んだ?」
「次は気をつけてね」

この声かけも悪くはないのですが、もう一歩踏み込んでみてください。

「なんで間違えたと思う?」と聞いてみるんです。

そして、子どもが答えたら、さらに聞いてみてください。

「じゃあ、次に同じ間違いをしないためには、どうしたらいいと思う?」

この2つの質問を繰り返すだけで、子どもは自然と「深く考える習慣」が身につきます。

「答え」ではなく「考え方」を確認する

また、子どもが問題を解いているときに質問されたら、すぐに答えを教えないことも大切です。

 
「この問題、どうやって解くの?」

こう聞かれたとき、つい答えを教えたくなりますよね。

でも、ここで一呼吸置いて、こう聞き返してみてください。

NAO
「今、どこまでわかってる?」
「何が難しいと感じてる?」

子ども自身に考えさせることで、自分で「なぜつまずいているのか」を分析する力が育ちます。

完璧を求めすぎない

ただし、注意していただきたいのは、最初から完璧な分析を求めすぎないことです。

「なぜ間違えたの?」と聞いても、最初は「わからない」と答えるかもしれません。

それでも大丈夫です。

「計算ミス?」「読み間違い?」「そもそも解き方がわからなかった?」と選択肢を示してあげれば、少しずつ自分で考えられるようになります。

NAO
焦らず、少しずつ習慣にしていくことが大切です。

よくある誤解「解き直しはやっているのに伸びない」の正体

ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。

 
「うちの子、解き直しはちゃんとやっているんですけど……」

実は、「解き直しをやっている」と言っても、その中身には大きな差があるんです。

誤解1:「もう一度解いて正解したら終わり」

最もよくある誤解が、これです。

間違えた問題をもう一度解いて、正解できたら「できるようになった」と思ってしまう。

でも、解説を読んだ直後に正解するのは当たり前なんです。

大切なのは、数日後、何も見ないで解けるかどうかです。

誤解2:「塾の宿題で手いっぱいだから、解き直しまで手が回らない」

これもよく聞く悩みです。

 
「塾の宿題が多くて、解き直しまでやる時間がないんです」

お気持ちはよくわかります。

でも、考えてみてください。

新しい問題をたくさん解くより、間違えた問題を確実にできるようにする方が、圧倒的に効率がいいんです。

なぜなら、間違えた問題こそが、今のお子さんの「できていないところ」だからです。

ここを放置して新しい問題ばかり解いても、同じような問題で何度も間違えることになります。

もし本当に時間がないなら、新しい問題を減らしてでも、解き直しの時間を確保するべきです。

誤解3:「解き直しは1回やれば十分」

もう1つ、重要な誤解があります。

「解き直しは1回やればいい」と思っている方が多いんです。

でも、1回の解き直しでは、本当の意味で「できるようになった」とは言えません。

少なくとも3回は解き直す必要があります。

1回目は解説を読んだ直後に。
2回目は数日後に。
3回目はテスト前に。

この3回のサイクルで、ようやく「自力で解ける」ようになるんです。

NAO
勉強ができる子は、実はこの「繰り返し」をちゃんとやっているんです。

「解き直しの深さ」を変えただけで偏差値63に届いた実例

最後に、もう1つ具体的な事例をお伝えしますね。

ある中学3年生の生徒のお話です。

夏休み前:偏差値55で伸び悩んでいた

その生徒は、中学3年生の夏休み前の時点で偏差値55前後でした。

勉強はちゃんとやっている。塾にも通っている。問題集も解いている。

でも、模試の結果が伸びない。

保護者の方も、「これだけやっているのに、なぜ伸びないんだろう」と悩んでいました。

原因は「解き直しの浅さ」だった

その生徒の勉強方法を詳しく聞いてみると、解き直しはしているものの、「答えを確認して終わり」になっていたんです。

「なぜ間違えたのか」を深く考えていなかったんですね。

そこで、夏休みから「深い解き直し」のやり方を教えました。

具体的には

  • 間違えた問題には「なぜ間違えたか」をメモする
  • 「次はどこに注意すべきか」を書く
  • 3日後にもう一度解き直す
  • テスト前にもう一度解き直す

この4つのステップを徹底してもらったんです。

夏休み明けから成績が急上昇

すると、夏休み明けの模試から結果が変わり始めました。

9月の模試で偏差値58。
10月の模試で偏差値61。
11月の模試で偏差値63。

わずか3ヶ月で偏差値が8ポイント上がったんです。

使っている問題集は変えていません。塾も変えていません。

変えたのは、解き直しの「深さ」だけです。

保護者の反応

保護者の方からは、こんな感想をいただきました。

「正直、偏差値60以上の高校は無理だと諦めかけていました。でも、こんなに短期間で伸びるなんて……。本人も自信がついたようで、表情が明るくなりました」

この生徒は、最終的に偏差値62の第一志望校に合格できました。

NAO
勉強法を変えるだけで、ここまで変わるんです。才能の問題ではないんです。

まとめ:偏差値60を超えるために必要なのは「量」ではなく「深さ」

ここまでお伝えしてきたことをまとめます。

偏差値55で止まる子と60を超える子の違いは、「解き直しの深さ」です。

  • 偏差値55までは「答えを覚える勉強」でも到達できる
  • でも、偏差値60を超えるには「なぜその解き方なのか」を理解する必要がある
  • そのために必要なのが「深い解き直し」
  • 間違えた問題を解き直すとき、「なぜ間違えたのか」「どこで気づくべきだったのか」「次はどうするか」まで考える
  • これを繰り返すことで、「思考の型」が身につき、初めて見る問題でも対応できるようになる

お子さんが今、偏差値55前後で伸び悩んでいるなら、それは才能の問題ではありません。

勉強法を変えるだけで、短期間でも面白いほど伸びるようになります。

必要なのは、もっとたくさん問題を解くことでも、もっと高い塾に通うことでもありません。

今やっている勉強の「深さ」を変えることです。

お子さんの努力を、確実に結果につなげてあげたい。

そう思っている保護者の方は、ぜひ今日からお子さんの「解き直し」を見直してみてください。

NAO
偏差値60の壁は、必ず越えられます。お子さんの可能性を、諦めないでください。

勉強法を変えるだけで、短期間でも面白いほど伸びるようになります。

「正しい勉強法」は未来を変える

 

がんばっているのに成績が伸びない…

NAO

才能の問題ではありません。勉強法がどこか間違っているだけです!

確信を持って言えます。

勉強ができないのは才能の問題ではありません。ただ、正しい勉強法を知らないだけなんです。

私自身がそれを身をもって経験してきました。次のとおりです。

  • 中学生時代はオール5、テスト450点超え
  • 自分は勉強の才能があると思ってた
  • 本当は塾に言われた勉強法のとおりにやっただけ
  • 偏差値70の高校へ入学
  • 高校で塾に行かなくなり成績が急降下
  • 周りのレベルが高いためと思っていたが嘘だった
  • 全国共通模試でも偏差値50以下まで低下
  • なぜか阪大を受験し当然のように玉砕
  • 勉強の才能がなかったと気づく
  • 浪人し、勉強法にもいろいろあると知り学び直す
  • 中学時代と高校時代での勉強法の違いに気づく
  • 中学時代の勉強法をベースに研究し勉強法を正す
  • 半年でE判定からA判定へ上がり阪大へ合格
  • 勉強は才能ではなく、やり方ではないか?
  • 塾講師や家庭教師として生徒にも勉強法を教える
  • 27点→73点、80点→90点超え連発、D判定→合格など劇的な成績アップ
  • 勉強は才能の問題ではなく、勉強法が大切と確信
  • 全ての人に勉強の才能はある
  • 生徒の「勉強って将来役立つの?」の疑問を研究したい想いが強くなる
  • 商社、ベンチャーとビジネスの世界を渡り歩く
  • マネージャー、経営企画、人事の立場でビジネスパーソンの成功成長に向き合う
  • 成長し続けられる力こそ要だと確信を持つ
  • 正しい勉強法は、成長法則そのものだと気づく
  • そこが高学歴で仕事ができる人と、高学歴でも仕事が苦手な人の違いそのもの
  • テクニック的に勉強してテストの点数や合格だけとっても、将来に役に立たない
  • 本質的な考えに基づいて勉強すると、テストも劇的に伸び、将来にも応用が効く
  • 正しく勉強できれば、自信がつき、将来にも活きる
  • 逆に、正しく勉強できなければ、がんばっても結果が出ず、才能がないと思い込んでしまう
  • そして、勉強は才能ではなく、やり方の問題
  • 正しくやれば、誰でも面白いほど伸びる
  • 「子ども将来のために、勉強法は今すぐ正すべき」だと確信を持つ

こんな想いで、お子さんの将来にも、今の成績にも、受験にも、お役に立てるように日々ブログや各種SNSで発信をしています。

NAO

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