偏差値60を超える高校受験生が必ずやっている7つの習慣

「うちの子、毎日塾に通って受験勉強もがんばっているのに、テストはいつも平均点以下。偏差値も50を超えない」

こんな悩みを抱えている保護者の方は、とても多いです。

でも、実は偏差値60を超える高校に合格する子と平均点で停滞してしまう子の違いは、才能でも勉強時間でもありません。

勉強のやり方が違うだけなんです。

私は塾講師として、偏差値50以下だった生徒が偏差値60超えの高校に合格するのを何人も見てきました。その子たちに共通していたのは、「ある7つの習慣」を身につけたことでした。

今日は、偏差値60を超える高校受験生が必ずやっている7つの習慣と、それを身につけるための具体的な方法をお伝えします。

１．偏差値60を超える子は「テストで90点」を目指している

80点を目指すと70点しか取れない理由

実は、これには明確な理由があります。

偏差値60を超える高校に合格するには、定期テストで平均80点前後が必要です。でも、80点を目標に勉強すると、70点前後で止まってしまうんです。

なぜでしょうか?

80点を目標にすると、「これくらいできれば大丈夫かな」という気持ちで勉強してしまいます。すると、本番で少しミスをしただけで、すぐに70点台、60点台に落ちてしまうんです。

90点を目指すと勉強の質が変わる

ある生徒の話をします。

中3の夏まで定期テストで5教科300点台だった生徒がいました。本人も保護者の方も「偏差値55くらいの高校に行ければ」と考えていました。

でも、勉強法を変えただけで、2学期の定期テストでは5教科420点を取れるようになり、最終的に偏差値62の高校に合格しました。

何を変えたのか?

目標点を90点に設定したんです。

90点を目指すと、勉強の仕方が変わります。「このくらいでいいか」が通用しなくなるんです。間違えた問題を放置できなくなります。「なんとなくわかった」では済まなくなります。

80点を目指している子は、「難しい問題は捨てていい」と考えてしまいます。でも90点を目指す子は、「難しい問題も解けるようにしたい」と考えます。

この意識の差が、結果として20点以上の差を生むんです。

２．間違えた問題を「その場で」徹底的に解き直す

「答え合わせして終わり」が成績を下げる

成績が伸びない子の勉強を見ていると、ほぼ全員が同じパターンです。

問題を解く→答え合わせをする→赤ペンで正解を書く→次の問題へ

これでは、絶対に成績は上がりません。

答えを赤ペンで書き写しても、次に同じ問題が出たら解けません。なぜなら、「できなかった問題」が「できる問題」に変わっていないからです。

偏差値60超えの子は「その場で3回」解き直す

偏差値60を超える高校に合格した生徒たちは、間違えた問題を必ず「その場で」解き直していました。

具体的には、こうです。

1. 問題を解く
2. 答え合わせをする
3. 間違えた問題の解説をじっくり読む
4. すぐにもう一度、何も見ずに解き直す
5. もう一度解き直す(最低3回)

「その場で3回」がポイントです。

なぜ「その場で」なのか? 時間を置くと、解説で理解した内容を忘れてしまうからです。理解した直後に繰り返すことで、「理解しただけ」の状態から「自分で解ける」状態に変わるんです。

ある生徒は、中3の春に数学のテストで55点でした。「数学が苦手で、どうしても点数が取れない」と悩んでいました。

でも、勉強法を変えただけで、わずか2ヶ月後のテストで83点を取りました。やったことは、間違えた問題をその場で必ず3回解き直す、ただそれだけです。

なぜ多くの子が「その場での解き直し」をしないのか

「塾の宿題が多くて、解き直しまで手が回らない」という声をよく聞きます。

気持ちはよくわかります。でも、これでは効果が出ないんです。

100問を1回ずつ解くより、30問を3回解く方が実力がつきます。

問題集を進めることが目的ではありません。「できなかった問題をできるようにする」ことが目的です。解き直しをせずに次々と新しい問題を解いても、「できない問題」はずっと「できない問題」のままなんです。

３．宿題も「解き直しまで」やりきる

宿題を「やっただけ」では成績は上がらない

これもよく聞く悩みです。

実は、宿題をきちんとやることは、偏差値60を超えるためにはあたりまえのことです。問題は、「やった」の定義なんです。

成績が伸びない子は、「宿題をやる=問題を解いて答え合わせをする」だと思っています。

でも、偏差値60を超える子は違います。「宿題をやる=間違えた問題の解き直しまで終わらせる」と考えているんです。

「できるようになるまで」が宿題の本当のゴール

ある生徒の話です。

個別指導塾に通っていて、毎週きちんと宿題をこなしていました。でも、定期テストは5教科で350点前後から全く伸びませんでした。

「宿題をちゃんとやっているのに、なんで点数が上がらないんだろう」と本人も保護者の方も悩んでいました。

宿題の様子を見せてもらうと、問題は解いてある、答え合わせもしてある。でも、間違えた問題はそのままでした。

勉強法を変えただけで、次の定期テストで5教科390点を取れるようになりました。やったことは、宿題で間違えた問題を必ず解き直すようにした、ただそれだけです。

塾の宿題が多くて大変な気持ちはわかります。でも、解き直しをしない宿題は、時間をかけているだけで実力がついていないんです。

もし宿題が多すぎて解き直しまで手が回らないなら、思い切って宿題の量を減らしてもらうのも一つの方法です。30問を解いて解き直しまでやる方が、100問を解きっぱなしにするより、確実に実力がつきます。

４．学校の授業時間を「勉強時間」として集中する

1週間で最も長い勉強時間は学校の授業

こんなとき、私がまず確認するのは「学校の授業中、集中していますか?」ということです。

なぜなら、1週間の中で最も長い勉強時間は、学校の授業時間だからです。

中学生の学校の授業は1日6時間前後。1週間で30時間にもなります。これは、家で1日2時間勉強するより、はるかに長い時間です。

偏差値60超えの子は授業を「勉強時間」にしている

成績が伸びない子は、授業中に「早く終わらないかな」とぼーっとしています。授業を「我慢する時間」だと思っているんです。

でも、偏差値60を超える子は違います。授業時間を「勉強時間」として集中しています。

具体的には、こうです。

• 先生の説明を真剣に聞く
• ノートを丁寧に取る
• わからないことがあったらすぐに質問する
• 授業中に出された問題は必ず解く

これだけで、1週間で30時間分の勉強ができるんです。

ある生徒は、中2の頃は授業中に友達と話したり、ぼーっとしたりしていました。家では1日2時間勉強していましたが、テストは5教科で300点前後でした。

中3になって受験を意識し、授業中に集中するようになりました。家での勉強時間は変わっていません。でも、次のテストで5教科370点を取れるようになったんです。

勉強時間を増やしたわけではありません。学校の授業時間を「勉強時間」に変えただけです。

５．やる気がなくても「時間になったら」勉強を始める

「やる気が出たら勉強する」では成績は上がらない

これは、成績が伸びない子がよく言う言葉です。

実は、「やる気が出てから勉強する」という考え方自体が間違いなんです。

偏差値60を超える子は、やる気があるから勉強しているわけではありません。時間になったら勉強を始めるんです。

やる気に頼らず「習慣」にする

考えてみてください。

「やる気が出た時だけ歯磨きをする」という人はいませんよね? 毎日、時間になったら歯磨きをするはずです。

勉強も同じです。やる気に頼らず、時間を決めて習慣にするんです。

ある生徒は、中3の春まで「やる気が出たら勉強する」というスタイルでした。結果として、1週間で勉強する日は2〜3日だけ。定期テストも5教科で320点前後でした。

「毎日午後8時になったら、5分でもいいから勉強を始める」というルールを作りました。最初は5分だけでもいい、とにかく毎日勉強に触れることを目標にしました。

するとどうなったか?

始めてみると、意外と続けられるんです。5分のつもりが10分、20分と続けられる日も増えてきます。そして、2ヶ月後の定期テストで5教科380点を取れるようになりました。

「5分だけ」でいいからスタートする

やる気がない日もあります。それは当然です。

でも、そんな日でも「5分だけ」と決めて勉強を始めるんです。

5分なら、どんなにやる気がなくてもできます。そして、5分やってみると、意外と続けられることが多いんです。

もし5分で終わっても大丈夫です。「今日も勉強に触れた」という事実が大切なんです。毎日勉強に触れることで、勉強が習慣になっていきます。

６．「毎日5分」の積み重ねをバカにしない

毎日5分の差は1ヶ月で2時間半の差になる

その気持ちはわかります。でも、計算してみてください。

毎日5分の差は、1ヶ月で150分=2時間半の差になります。1年間では30時間の差です。

これは、1日2時間勉強している人が、15日分サボったのと同じ量です。

小さな積み重ねが大きな差を生む

偏差値60を超える子は、「毎日5分」の積み重ねを大切にしています。

• 朝の5分で英単語を10個覚える
• 電車の中の5分で昨日の間違えた問題を見返す
• 寝る前の5分で今日の授業を思い出す

たった5分ですが、毎日続けることで大きな力になるんです。

ある生徒は、通学時間の10分を英単語の暗記に使うようにしました。それ以外の勉強方法は変えていません。

でも、3ヶ月後の実力テストで、英語の点数が20点アップしました。通学時間の10分を勉強時間に変えただけです。

部活と勉強を両立している人は、スキマ時間の使い方がうまいだけなんです。まとまった時間が取れなくても、5分、10分のスキマ時間を活用すれば、十分に成績は上がります。

７．「やればできる」と自分を信じている

「どうせ無理」と思った瞬間に成長が止まる

偏差値60を超える子と平均点で停滞する子の、最も大きな違いがこれです。

「やればできる」と自分を信じているかどうか。

その気持ちはわかります。でも、「どうせ無理」と諦めた瞬間に、成長が止まってしまうんです。

なぜなら、諦めると「できるようになる方法」を考えなくなるからです。「どうせ無理だから、適当にやればいい」となってしまいます。

信じているから工夫できる

偏差値60を超える子は、「やればできる」と信じているから、工夫を続けられるんです。

• この問題が解けないのは、なぜだろう?
• どうすれば、次は解けるようになるだろう?
• 今のやり方で効果が出ないなら、何を変えればいいだろう?

こうやって、常に「できるようになる方法」を考え続けます。だから、どんどん成績が上がっていくんです。

ある生徒は、中3の夏まで偏差値45でした。「自分には無理だ」と諦めかけていました。

でも、保護者の方が「あなたなら絶対にできる」と信じ続けてくれました。その言葉に支えられて、勉強法を変えて努力を続けました。

結果として、偏差値60の高校に合格できました。信じてもらえたから、頑張れたんです。

保護者の方が「あなたなら絶対にできる」と信じてあげてください。その信頼が、お子さんの力になります。

まとめ

今日お伝えした7つの習慣は、特別な才能は必要ありません。誰でもできることです。

1. テストで90点を目指す
2. 間違えた問題をその場で3回解き直す
3. 宿題も解き直しまでやりきる
4. 学校の授業時間を勉強時間として集中する
5. やる気がなくても時間になったら勉強を始める
6. 毎日5分の積み重ねを大切にする
7. やればできると自分を信じる

これらの習慣を身につけるだけで、偏差値50以下から偏差値60超えを目指せます。

「うちの子は勉強の才能がない」と諦める必要はありません。才能ではなく、勉強法が間違っているだけなんです。

これまでの努力は決して無駄ではありません。ただ、やり方を変えるだけで、面白いほど結果が変わります。

勉強法を変えるだけで、短期間でも面白いほど伸びるようになります。