
大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』
「引退したら本気で勉強する」。そう言っていたのに、いざ部活が終わってみると、家でダラダラ過ごす時間ばかりが増えていく。時間はできたはずなのに、机に向かわない。受験生なのにこのままで大丈夫なのかと、不安を感じている方も多いはずです。
先にお伝えします。引退後に切り替えられないのは、気持ちが弱いからでも、受験を甘く見ているからでもありません。



この記事では、元塾講師として200人以上の受験生を見てきた経験から、引退後に切り替えられない本当の理由と、追い込みを成功させるための最初の一手をお伝えします。
引退後のお子さんに、こんな様子はありませんか。
安心してください。これは、毎年たくさんの受験生に起こる、ごく普通の現象です。そして、原因がわかれば、必ず抜け出せます。
部活を思い出してください。部活には、行けば練習メニューがありました。今日は何をやるか、自分で考える必要はなかったんです。だから、疲れていても体は動きました。
一方、勉強は「今日、何をどこまでやるか」をすべて自分で決めなければいけません。やることが決まっていない状態で机に向かうのは、メニューのない練習に参加するようなものです。何から手をつけていいかわからないから、始められない。始められないから、スマホに手が伸びる。
ダラダラして見えるあの姿の正体は、やる気の欠如ではなく、やることが決まっていないことによる立ち往生です。
もう1つ、見落とされがちな事実があります。仮に勉強を始めたとしても、やり方が間違ったままだと、増えた時間は空回りに消えていくということです。
成績は、時間だけでは決まりません。勉強の質と量のかけ算です。解いて丸つけして終わり、という質の低い勉強のまま時間を2倍にしても、結果はほとんど変わりません。むしろ、「こんなにやったのに上がらない」という挫折感だけが大きくなります。
引退後の追い込みで最初にやるべきことは、時間を増やすことではなく、やり方を正すことです。
ちなみに、引退直後の数日間、燃え尽きたように休んでしまうこと自体は、責めなくて大丈夫です。3年間打ち込んできたものが終わったのですから、心の切り替えに数日かかるのは自然なことです。問題は、休むことではなく、休み明けに「何をやるか」が用意されていないことです。
では、具体的に何から始めればよいのか。最初の1週間で、次の3つをやってください。
ポイントは、「がんばるぞ」という気合いではなく、「今日はこれをやる」が毎日決まっている状態を作ることです。部活の練習メニューと同じように、やることが決まっていれば、人は動けます。
そして、再始動のハードルは低くて構いません。初日は5分でもいい。「引退したんだから1日5時間」といきなり大きな目標を立てると、達成できなかった日に一気に崩れます。小さく始めて、やることの明確さで勢いをつけていくのが正解です。
そもそも受験勉強の正体は、「これまでの全範囲から、自分の穴を見つけて埋めていくこと」です。だから、スタート地点は新しい参考書ではなく、これまでのテストの分析になります。穴が具体的にわかれば、毎日のメニューは自動的に決まっていきます。部活で言えば、試合の映像を見て弱点を特定してから、練習メニューを組むのと同じです。
メニューを決めるところまでは、保護者の方が手伝ってあげても構いません。「今日はこのページの間違えた問題だけ」と決まっていれば、お子さんは動けます。決める部分の負担を減らして、解く部分に集中させてあげてください。
この時期、「時間ができたから」と塾のコマや講習を増やすご家庭がとても多いです。でも、ここには注意が必要です。
やり方が間違ったまま授業の量を増やすと、「わかる」は増えても「できる」が増えず、自力で解き直す時間だけが削られていきます。増やす前に、まず勉強の中身を正すことが先です。
授業は「わかる」を作る場です。でも、点数になるのは、自力で解けるようになった「できる」だけです。できるを作る時間、つまり自分で問題を解き、間違いを解き直す時間が確保されているか。ここが、追い込み期の成否を分けます。
私が指導していた中3の子は、成績を上げようと塾を増やしたのに、逆に点数が下がっていました。授業を増やすのをやめて、テスト分析で課題を絞り、間違えた問題をスラスラまで解き直す勉強に切り替えたところ、5教科合計で200点以上アップ。勉強時間は、塾を増やしていた頃とほとんど変わっていません。



引退後の数ヶ月は、正しく使えば人生が変わるほどの時間です。点数の差は、才能や勉強量の差ではなく、勉強の質の違いです。やり方さえ正せば、ここからの追い込みで一気に逆転できます。
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受験までの残り時間を考えると、焦る気持ちが出てくるのは当然です。でも、焦って量に走った子より、最初の1週間で分析と絞り込みをやり切った子のほうが、最後には必ず前に出ます。急がば回れではなく、これが本当の最短ルートです。
それに、部活をやり切った子には、大きな武器があります。反復練習に耐える力です。素振りやパス練習のように、同じことを繰り返して体に染み込ませる経験を、3年間積んできています。間違えた問題をスラスラになるまで解き直す勉強は、まさにこの反復の力がそのまま活きる勉強です。だから、正しいやり方に出会った引退後の部活生は、驚くほどの伸び方をします。
部活を最後までやり切ったお子さんには、続ける力も、追い込む力も、すでに備わっています。あとは、その力を注ぎ込む正しいやり方だけです。
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