
大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』
小学生の頃は、テストで90点や100点が当たり前だった。それなのに中学に入ってから、点数は平均点前後をうろうろ。「あんなにできる子だったのに」と、戸惑いと不安を感じている方も多いはずです。
先に、一番大切なことをお伝えします。お子さんの頭が悪くなったわけでは、決してありません。



この記事では、元塾講師として200人以上の中学生を見てきた経験から、小学校で優秀だった子が中学で伸びなくなる本当の理由と、もう一度伸び始めるための道筋をお伝えします。
伸びなくなったといっても、お子さんはサボっているわけではないはずです。こんな状態ではありませんか。
まじめにやっているのに取れない。この状態こそが、原因が能力ではなく、やり方と仕組みのずれにあることを示す、何よりのサインです。
小学校のテストを思い出してください。単元が終わった直後に行われて、範囲は狭く、問題も授業でやった形式とほぼ同じです。つまり、授業をしっかり聞いて内容が「わかって」いれば、それだけで点数が取れる設計になっています。
小学校で90点や100点を取れていたのは、お子さんが授業をきちんと理解する力を持っていたからです。この事実は、これからも変わらない、お子さんの本物の力です。
一方、中学の定期テストは、まったく別物です。範囲は数週間から数ヶ月分と広く、習ってから時間が経った内容も出ます。しかも、問題は授業と同じ形ではなく、ひねりを加えて出題されます。
この設計のテストで点を取るには、授業が「わかる」だけでは足りません。時間が経っても、何も見ずに、自力でスラスラ解ける状態。つまり「できる」まで仕上げておく必要があります。そして、「わかる」と「できる」の間には、大きな距離があります。
小学校は「わかる」で点が取れるテスト、中学は「できる」まで仕上げないと取れないテスト。変わったのは、お子さんではなく、この要求水準なんです。
このつまずきが表面化するタイミングは、子どもによって違います。中1の最初のテストで気づく子もいれば、内容が本格化する中1の後半や中2で下がり始める子もいます。共通しているのは、下がり始めた時期に、部活の忙しさやスマホのせいにされがちだということです。もちろん影響はゼロではありません。でも、本丸はそこではなく、勉強のやり方が小学校仕様のまま止まっていることです。
そして、ここからが大切な話です。小学校で優秀だった子ほど、中学でつまずきやすいという、少し意外な事実があります。
小学校時代、授業を聞くだけで点が取れていた子には、「聞いていればできる」という成功体験が深く染みついています。本人にとって、それは6年間ずっと通用してきた、実績のあるやり方です。だから中学に入っても、同じやり方を続けます。授業を聞く。宿題をやる。それで取れてきたんだから、当然です。
でも、テストの仕組みは変わってしまった。「わかる」で止まる勉強のままでは、点数がついてこない。まじめにやっているのに結果が出ないので、本人も「自分は頭が悪くなったのかな」と混乱し始めます。
このとき「小学校ではできたのに」という言葉をかけるのは、避けてあげてください。本人を一番苦しめているのが、まさにその比較だからです。原因は過去の自分との差ではなく、やり方の切り替えがまだ済んでいないことにあります。
では、どうすればもう一度伸び始めるのか。答えは、能力を上げることではありません。勉強のやり方に、1つの工程を足すことです。
それが、「できるまで仕上げる」工程です。授業でわかった内容を、問題を解いて確かめる。間違えた問題には印をつけて、時間を置いても自力でスラスラ解けるようになるまで、繰り返し解き直す。テスト前には、間違えたことのある問題をもう一度確認する。
やることは、これだけです。特別な才能も、長時間の勉強もいりません。授業を理解する力がすでにあるお子さんなら、この工程を足すだけで、点数は面白いように変わります。
切り替えを進めるとき、保護者の方の関わりは、勉強を教えることではありません。「間違えた問題、解き直したらできるようになってる?」と、仕上がりに目を向ける質問をしてあげることです。見る場所が「やったかどうか」から「できるようになったかどうか」に変わると、お子さんの勉強の基準も自然と変わっていきます。
私が指導していた中3の子は、家で解いたときは「わかる」のに、テストになると点が伸びず、数学は76点で頭打ちになっていました。「わかる」で止まっていた勉強を、時間を置いてもスラスラ解けるまで仕上げる勉強に変えたところ、数学は98点まで上がりました。理解力はもともとあったので、仕上げの工程を足しただけで一気に化けたんです。



小学校で取れていたという事実は、理解する力がある何よりの証拠です。それは失われたのではなく、今は仕上げの工程が足りていないだけ。つまり、大きな伸びしろがそのまま残っているということです。
点数の差は、才能や勉強量の差ではなく、勉強の質の違いです。やり方さえ切り替われば、短期間でも結果は劇的に変わります。あの頃のように点数を取るお子さんの姿は、決して過去のものではありません。
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高校受験を見据えるなら、この切り替えは早いほど有利です。中学の内容は積み上げ式なので、「できるまで仕上げる」やり方に早く切り替わった子ほど、土台が固い状態で受験期を迎えられます。そして、一度身についた正しい勉強のやり方は、高校でも、その先でも、一生使える財産になります。
小学校時代の輝きは、まぐれではありません。理解する力という土台は、今もお子さんの中にしっかり残っています。やり方が今の仕組みに合えば、必ずもう一度伸び始めます。
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