中3の10月、数学だけが壊滅的(20点台・30点台)でも高校受験に間に合う?受験範囲を追うのをやめて、残り5ヶ月で計算と小問を取り切る順番を元塾講師が解説

この記事を書いた人
NAO / 家庭学習法アドバイザー

大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』

他の教科はそこそこ取れているのに、数学だけが20点台や30点台。中3の10月になって塾の授業は相似や円へ進んでいくのに、お子さんはその手前でつまずいたまま。「数学はもう捨てて他で稼ぐしかないのか」と、半分あきらめかけている方に向けて書きます。

結論から言えば、数学だけ壊滅的な中3でも、受験まで5ヶ月あれば間に合います。ただし、いま塾で進んでいる受験範囲を必死に追いかけるやり方では間に合いません。追うのをやめて、点数の取り方そのものを組み替える必要があるんです。元塾講師として数学で苦しむ子を何人も見てきた立場から、壊滅の正体と、残り5ヶ月の順番をお伝えします。

目次

結論、数学だけ壊滅的でも間に合います。ただし受験範囲を追うのはやめてください

数学が20点台の中3に対して、塾が用意しているのは「中3の受験範囲を最後まで進める授業」です。相似、円周角、三平方の定理と進み、冬には入試演習に入ります。カリキュラムとしては正しいのですが、いまの点数の子にとっては、聞いても手が動かない授業がただ増えていくだけになります。

 
塾の授業についていけていないのは分かっています。でも、受験範囲をやらなかったら余計に解けなくなりませんか。
NAO
入試の数学は、全範囲が解ける子だけが点を取る試験ではありません。20点台の子は、受験範囲の前に、もっと配点の大きい場所を落としています。

数学が壊滅的な子の失点は、相似や三平方ではなく、計算や方程式といった中1・中2の基本問題で起きています。ここが取れていないのに受験範囲を足しても、点数は変わりません。逆に言えば、ここを直すだけで20点台は40点台、50点台へ変わるということです。

なぜ数学だけが壊滅するのか。「積み上げ」の教科だからです

理科や社会は、単元ごとに内容が独立しています。地理が苦手でも歴史は取れる、ということが普通に起きます。ところが数学は違います。中1の正負の数と文字式の上に方程式が乗り、その上に関数が乗り、さらに中2・中3の内容が積み上がります。

だから、どこか1ヶ所でも「わかる」止まりの単元があると、その上に乗っているすべての単元で手が止まります。数学だけ壊滅的に見える子は、頭が悪いのでも数学的センスがないのでもなく、土台のどこかに「わかるけれどスラスラ解けない」場所があり、その上に乗る問題が全部崩れているだけなんです。

見分け方は簡単です。中1の一次方程式、中2の連立方程式、一次関数の基本問題を、答えを見ずに解かせてみてください。途中で手が止まったり、計算ミスが続いたりするなら、そこが崩れている土台です。壊滅的な子ほど、戻る場所は意外と手前にあります。

 
中1の計算ならできるよ…たぶん。でも連立方程式は時間がかかるし、よく間違える。
NAO
その「たぶん」と「時間がかかる」が、入試で点を落としている場所そのものです。スラスラ解けるまで仕上げると、その上の単元まで一緒に動き出しますよ。

入試の数学は「全部解ける子」ではなく「基本を落とさない子」が点を取ります

公立高校入試の数学は、多くの都道府県で、計算問題と小問集合から始まります。ここだけで配点のかなりの部分を占めていて、基本的な一次関数や確率、資料の整理といった標準問題を合わせると、半分以上が「基本と標準」でできています。難しい証明や応用の最後の設問は、全体から見れば一部です。

20点台や30点台の子は、この計算問題と小問集合ですでに点を落としています。つまり、受験範囲を進めなくても、基本問題を落とさなくなるだけで、数学は50点前後まで届く設計になっているということです。ここから先の応用は、土台ができてから考えれば十分間に合います。

残り5ヶ月の設計 まず「計算と小問」をスラスラにします

では、いつ何をするのか。順番を間違えなければ、5ヶ月は十分な長さです。大まかな流れはこうなります。

  1. 10月から11月は、中1・中2の計算、方程式、関数の基本問題だけに絞る。新しい単元は追わず、同じ問題を答えを見ずにスラスラ解けるまで解き直す。
  2. 12月は、入試の計算問題と小問集合の形式に慣れる。ここでも、解けなかった問題は必ず解き直して、一度できたで終わらせない。
  3. 1月から2月は、過去問を使うが、全部を解こうとしない。計算と小問、取れそうな大問の最初の設問だけを確実に取り切る練習をする。
  4. 塾の受験範囲の授業は、ついていける部分だけ参加し、ついていけない単元は「いまはやらない」と決める。

この設計で大切なのは、1つ目の「スラスラ解けるまで解き直す」です。1回解けただけでは、入試本番の緊張の中では手が止まります。日を空けてもう一度解き、それでも迷わず解けて初めて「スラスラ」です。壊滅的な数学を立て直す鍵は、新しい単元ではなく、解き直しの深さにあります。

ここで書いた流れは、数学の立て直し方の骨組みの部分です。どの単元まで戻るかの見つけ方、解き直しの回数や間隔、他の教科との時間の配分など、実際には組み合わせて初めて結果につながります。数学だけを見て判断すると、他教科の時間を削りすぎることもあるので、全体の設計とあわせて考えてください。

「できるところまで戻る」ときの戻り方や、解き直しをスラスラまで持っていく具体的な手順は、無料の7日間LINE講座で1日1テーマずつ解説しています。数学の立て直しを本気で考えている方は、先に全体の流れをつかんでおくと迷いません。

数学23点だった子が、戻る勉強に切り替えて67点になりました

指導事例
  • 数学が23点で、わからない問題に30分も悩んでから答えを見る、というやり方を続けていた子。本人は真面目で、勉強時間はむしろ多いほうでした。
  • やったことは、進んでいる単元をいったん止めて、崩れていた方程式と関数の基本に戻ること。そして、解けなかった問題は長く悩まず解き方を確認し、答えを見ずにスラスラ解けるまで解き直すことに時間を回しました。
  • 結果、数学は23点から67点へ。土台が固まったことで、その上に乗る単元が一気に解けるようになりました。

戻る勉強は、一見遠回りに見えます。でも、積み上げの教科である数学では、土台を直したときに上の単元まで一緒に解けるようになるので、結果として最短距離になります。数学だけ壊滅的な子は、裏を返せば「1ヶ所直せば大きく返ってくる」子です。

 
受験範囲を全部やらなきゃと思ってたけど、計算と方程式だけなら、やれそうな気がしてきた。

お母さんにお願いしたいのは「数学を捨てる」判断を急がないことです

数学が壊滅的だと、「他の教科で稼ごう」と考えたくなります。でも、入試は5教科の合計で決まり、数学は基本問題を取り切るだけで数十点が変わる教科です。他の教科で同じ点数を上乗せするより、数学の計算と小問を仕上げるほうが、残り5ヶ月では確実です。

家庭でできることは2つあります。1つは、お子さんに「計算問題、スラスラ解ける?」と聞いて、「たぶん」が返ってきたら、そこが戻る場所だと一緒に確認すること。もう1つは、塾に「受験範囲より、基本の解き直しに時間を使いたい」と伝えることです。多くの塾は、理由を説明すれば調整に応じてくれます。

壊滅的に見える数学は、才能の問題ではなく、どこか1ヶ所が「わかる」止まりになっているだけです。戻る場所を見つけてスラスラまで仕上げれば、5ヶ月後の答案は確実に変わります。あきらめるには、まだ早すぎます。

まとめ 数学だけ壊滅的な中3が残り5ヶ月でやること

この記事のまとめ
  • 数学が壊滅的な中3の失点は、受験範囲ではなく中1・中2の計算や方程式などの基本問題で起きている
  • 数学は積み上げの教科なので、土台のどこか1ヶ所が「わかる」止まりだと、上の単元がすべて崩れる
  • 入試数学は基本と標準で半分以上ができていて、計算と小問集合を落とさないだけで50点前後に届く
  • 10月から11月は中1・中2の基本をスラスラに、12月は入試形式の基本問題、1月から2月は過去問の取れる部分だけを取り切る
  • 「数学を捨てる」判断は急がず、塾には受験範囲より基本の解き直しを優先したいと伝える

この記事でお伝えしたのは、数学を立て直す考え方の一部です。どこまで戻るかの判定基準、スラスラ解けるまで解き直す回数、勉強の最後に「今日できるようになったか」を確かめる習慣がそろって初めて、短期間で結果が変わります。全体の正し方は無料の7日間LINE講座で順番にお伝えしていますので、残り5ヶ月の設計を固めたい方はぜひ確認してみてください。

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  • 中学時代と高校時代での勉強法の違いに気づく
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