1ヶ月で5教科合計50点上げるのは可能?|模試・実力テストで1ヶ月に50点上げた子が「5教科に10点ずつ」配らなかった理由と、×の「落とし方の種類」で50点を作る4週間の順番を元塾講師が解説

この記事を書いた人
NAO / 家庭学習法アドバイザー

大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』

次の模試まで、あと1ヶ月。志望校の判定を1つ上げるには、5教科合計であと50点足りない。

お子さんは「1教科10点ずつなら、なんとかなる」と言って、5教科の問題集を全部机に積んでいる。でも、その計画で50点上がった子を見たことがない。

1ヶ月で50点は可能なのか。可能だとしたら、どこから50点を作るのか。塾で1ヶ月の伸び幅を何百人分も見てきた元塾講師の立場から、不安を感じている方にお伝えします。

 
次の模試で合計50点上げないと、志望校がC判定のままなんです。1ヶ月で50点なんて、無理な話でしょうか。

先に答えをお伝えします。1ヶ月で50点は、可能です。塾で何度も見てきました。

ただし、5教科に10点ずつ配った子は、ほぼ全員届いていません。届いた子は、配り方が違いました。

50点は、教科に配るのではなく、「落とし方の種類」に配ります。

その理由と、1ヶ月の順番をお話しします。

目次

5教科に10点ずつ配ると、1ヶ月では届かない理由

10点分の×を○にするには、5回の解き直しが要る

模試で点になる問題は、日をあけても迷わず解ける状態まで仕上がった問題だけです。

問題には3つの状態があります。解説を読んで納得した「わかる」、自分で一度正解できた「できる」、日をあけても手が止まらない「スラスラできる」。模試で点になるのは3つ目だけで、×を3つ目まで持っていくには、同じ問題を5回ほど解き直す必要があります。

1教科10点分なら、問題にして5〜10問。5教科で25〜50問を、それぞれ5回。1ヶ月の勉強時間を5つに割ると、1教科あたり週に1〜2時間しか回せません。

5つに割った時間は、全部「できる」止まりで終わる

週1〜2時間では、解説を読んで1回解き直すところまでで時間が尽きます。5教科とも、2つ目の「できる」で止まります。

模試当日、「できる」止まりの問題は半分以上落ちます。結果、5教科それぞれが2〜3点ずつ上がって、合計10点台。これが、10点ずつ配った子の1ヶ月後の答案です。

50点に届かないのは、がんばりが足りないからではありません。配り方が、5回の解き直しに合っていないからです。

教科で配る発想は、どこから来るのか

模試の成績表が教科別に並んでいるからです。教科ごとの点数を見れば、「全教科10点ずつ」と考えるのは自然です。

でも、点数を落としている理由は、教科ごとに違うわけではありません。同じ落とし方が、5教科にまたがって起きています。だから、配る単位は教科ではなく、落とし方のほうなんです。

NAO
「全教科を少しずつ」は、いちばん公平に見えて、いちばん点にならない配り方です。1ヶ月で50点取った子は、全部やらなかった子です。

×の落とし方は3種類あり、1ヶ月で○にできる数が違います

前回の答案の×を、3つに分ける

前回の模試や実力テストの答案を出して、×の問題の解説をお子さんに読んでもらいます。読んだ反応で、×は3つに分かれます。

  • 読めない× 解説を読んでも分からない。前提の基本が抜けている問題
  • 読める× 解説を読めばすらすら分かるのに、本番では解けなかった。「わかる」で止まっている問題
  • 惜しい× 解き方は合っていたのに、計算や書き方で落とした。時間切れで手をつけられなかった問題もここ

5教科すべての×を、この3つに分けて数えてください。教科は無視してかまいません。

1ヶ月で○にできる数は、種類で決まる

3種類は、1ヶ月で○にできる数がまったく違います。

読めない×は、前の単元に戻ってから5回。1つの単元に1〜2週間かかるので、1ヶ月で○にできるのは1〜2単元分です。ここで50点を作るのは難しい。

読める×は、戻る必要がなく、5回の解き直しだけで届きます。1日10問なら、1ヶ月で200問を○にできます。50点の主戦場は、ここです。

惜しい×は、すでに「できる」まで来ているので、2〜3回で届きます。数は少なくても、いちばん早く点に変わります。

50点は「読める×」と「惜しい×」から作る

塾で中3の答案を数えてきた経験では、合計250点から350点の子の×は、読める×が4〜5割、惜しい×が2割、読めない×が3〜4割です。

5教科合計で×が200点分あれば、読める×と惜しい×で120点分以上あります。その半分を本番で取れば、60点。1ヶ月で50点は、ここから出てきます。

読めない×は、この1ヶ月は手をつけません。50点を取ったあとの、次の1ヶ月の仕事です。

 
解説を読めば分かる問題って、もう分かってるんだから、やらなくていいんじゃないの?
NAO
逆です。「分かるのに本番で解けなかった問題」が、いちばん早く点に変わる問題なんです。新しいことを覚える必要がなく、繰り返すだけで○になる。1ヶ月で50点取った子は、この問題だけを5回解いた子ですよ。

1ヶ月で50点を作る順番

4週間の進め方

  1. 最初の3日 前回の答案の×を、5教科まとめて3種類に分ける。読める×と惜しい×の問題番号を、1枚の紙に教科ごとに書き出す。新しい問題集は買わない
  2. 1週目 書き出した問題の解説を読み、答えを閉じて1回目を解く。1日10問。惜しい×は、どこで落としたかを問題の横に一言メモする
  3. 2週目・3週目 2回目から4回目。日をあけて、解けなかった問題だけを回す。同じ単元の問題を学校や塾の問題集から1〜2問足して、数字が変わっても解けるか確かめる
  4. 4週目 5回目。全部を通しで解いて、まだ手が止まる問題だけを模試の前日まで毎日1回。新しい問題は1問も足さない

やめること

  • 5教科の問題集を同時に進めること。配るのは教科ではなく、×の種類
  • 読めない×に、この1ヶ月の時間を使うこと。戻る勉強は、50点を取ってから
  • 模試形式の問題集を新しく解くこと。×が増えるだけで、○は増えない

この順番で動くと、1ヶ月の勉強時間は増えません。増えるのは、同じ問題を解いた回数だけです。

目標点と今の点数の差を埋める場所を前回のテストの×からピンポイントで見つける考え方と、なんとか解けるで止めずスラスラ解けるまで繰り返す回数は、無料の7日間講座で1日1テーマずつ具体的に解説しています。

よくある誤解「50点上げるには勉強時間を倍にするしかない」の正体

誤解1 1ヶ月で50点は、よほど勉強時間を増やさないと無理

時間を増やして50点上がった子より、配り方を変えて50点上がった子のほうが、はるかに多いです。

読める×は、すでに頭に入っている知識を使えるようにするだけなので、1問5分で済みます。時間ではなく、回数の問題です。

誤解2 苦手な教科から手をつけるべき

苦手な教科は、読めない×が多い教科です。1ヶ月では○にできる数が少なく、50点の材料にはなりにくい。

先に取るのは、読める×がいちばん多い教科です。苦手教科は、次の1ヶ月で戻る勉強に切り替えて取りにいきます。

誤解3 模試の点数は実力だから、1ヶ月では変わらない

模試の点数は、実力ではなく「スラスラまで仕上がった問題の数」です。読める×を5回回せば、実力が変わらなくても点数は変わります。

そして、点数が先に変わると、本人の勉強への見方が変わります。実力はそのあとからついてきます。

 
塾からは「5教科バランスよく」と言われています。1種類に寄せて、本当に大丈夫なんでしょうか。
NAO
寄せるのは教科ではなく、×の種類です。読める×は5教科全部にあるので、結果として5教科とも触ることになります。ただし、配る基準が教科名ではなく「解説が読めるか」に変わるだけです。この基準で選んだ子のほうが、バランスよく上がりますよ。

最初の1ヶ月で50点、3ヶ月で5教科200点上がった子の話

5教科の問題集を全部やって、合計230点

偏差値55の高校を目指す中3の男の子を、秋から担当しました。模試の5教科合計は230点。本人は5教科の入試問題集を毎日1教科ずつ回していて、「全部やっているのに上がらない」と言っていました。

お母さんの希望は、次の模試で判定を1つ上げること。必要な点数は、あと50点でした。

×を3つに分けると、読める×が半分あった

前回の模試の×を、5教科まとめて3つに分けました。読めない×が3割、読める×が5割、惜しい×が2割。

読める×と惜しい×で、150点分近くありました。50点は、新しく何かを覚えなくても、もう手元にあったんです。

1ヶ月目で50点、そのあと3ヶ月で200点

5教科の問題集は全部閉じてもらい、読める×と惜しい×だけを1日10問、5回回しました。

1ヶ月後の模試で、5教科合計は230点から283点。最初の1ヶ月で53点上がりました。

2ヶ月目からは、残っていた読めない×に戻る勉強を足しました。入試直前の模試で430点台、3ヶ月で5教科合計200点以上上がり、志望校に合格しました。

 
問題集を閉じてくださいと言われたときは不安でした。でも、1ヶ月で50点上がったのを見て、やり方が間違っていただけだったと分かりました。
NAO
勉強時間は、問題集を回していたころと変わっていません。変えたのは、50点の配り先だけです。点数の差は才能でも勉強量でもなく、どこに時間を配るかの差なんです。

お母さんにできるのは「×を3つに分ける日」を一緒に作ることです

1ヶ月で50点を作る順番の中で、お子さんが1人ではいちばん進めにくいのが、最初の3日の「分ける」作業です。

答案と解説を広げて、×を1問ずつ「読めない」「読める」「惜しい」に分ける。地味で、点数が上がる実感がない。だから、お子さんは飛ばして問題集を開きたくなります。

ここだけ、隣に座ってあげてください。お母さんが解説を読む必要はありません。「これ、解説読んだら分かる?」と1問ずつ聞いて、紙に番号を書くだけです。

そのあとの1ヶ月は、聞くことを1つにしてください。

 
読める×、今日はいくつ○になった?

この数が1日10問ずつ増えていけば、模試の日を待たずに、50点が近づいているのが親子で分かります。

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まとめ 1ヶ月で50点は、教科ではなく「落とし方の種類」に配る

この記事のまとめ
  • 1ヶ月で50点は可能。ただし5教科に10点ずつ配ると、全教科が「できる」止まりで合計10点台に終わる
  • ×の落とし方は3種類。解説が読めない×、読める×、惜しい×。1ヶ月で○にできる数は種類で決まり、50点の主戦場は読める×と惜しい×
  • 最初の3日で前回の答案の×を5教科まとめて3つに分け、読める×と惜しい×だけを1日10問、4週間で5回解き直す。新しい問題集は買わない
  • 読めない×と苦手教科は、50点を取ったあとの次の1ヶ月で戻る勉強に切り替える
  • 親は最初の3日の「分ける」作業に隣で座り、あとは「読める×、今日はいくつ○になった?」だけを聞く
NAO
50点は、新しく覚える場所にはありません。前回の答案の中に、もう書いてあります。解説が読める×を数えた瞬間から、1ヶ月は十分な長さに変わりますよ。

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勉強に自信をなくした高校時代
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  • なぜか阪大を受験し当然のように玉砕
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  • 中学時代と高校時代での勉強法の違いに気づく
  • 中学時代の勉強法をベースに研究し勉強法を正す
  • 半年でE判定からA判定へ上がり阪大へ合格
  • 勉強は才能ではなく、やり方ではないか?
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