北辰テストの偏差値が上がらない中3へ|塾の北辰対策より先に、成績票の「赤×」を次の回までに消す。みんなが取れた問題を落とさない子だけが上がる理由を元塾講師が解説

この記事を書いた人
NAO / 家庭学習法アドバイザー

大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』

北辰テストを受けるたびに、偏差値がほとんど変わらない。塾では北辰対策の授業も受けているし、本人も過去問を解いている。

それなのに、第4回も第5回も同じような数字で、志望校の判定も変わらない。

11月の第6回と12月の第7回が近づくほど、「このまま個別相談に行けるのか」と不安が大きくなっている方も多いと思います。

この記事では、元塾講師の私が、北辰テストの偏差値が上がらない本当の理由と、次の回までに家でやることを、不安を感じている方にお伝えします。

 
北辰の偏差値がずっと50前後で止まっています。塾の北辰対策も受けているのに、どうして上がらないんでしょうか…

先に結論をお伝えします。北辰の偏差値が上がらないのは、実力が足りないからでも、対策が足りないからでもありません。

成績票が赤×で名指ししている問題を、次の回までに解き直していないからです。

北辰の成績票には、正答率が高いのに落とした問題が赤い×で示されています。

偏差値は、みんなが取れた問題を落とさない数で決まります。赤×を残したまま新しい単元の対策をしても、偏差値はそこから動きません。

逆に言えば、赤×を次の回までに消すだけで、偏差値は変わります。その理由と、家でのやり方をお話しします。

目次

北辰テストの仕組みと、成績票に書かれていること

中3は年8回。11月の第6回と12月の第7回が山場です

北辰テストは北辰図書が実施している埼玉県の模試で、公式サイトによると県内の中3生の90%が受けています。中3は年8回あり、秋以降の日程は次のとおりです。

回実施日成績のWEB確認
第6回11月8日(日)11月18日(水)から
第7回12月6日(日)12月16日(水)から
第8回2027年1月31日(日)2月8日(月)から

出題範囲は、回ごとに教科書のページ数まで公式サイトで公表されています。

数学と英語は、第6回で1・2年の全範囲に中3の秋までの内容が加わり、第8回で全範囲になります。

埼玉の私立高校には、秋の個別相談で北辰の成績票を参考にする学校が多くあります。

どの回の成績を見るか、何回分を見るかは学校ごとに違うので、志望する私立に直接確認するのが確実です。

成績票には「赤×」と「合否を分ける問題」が示されています

北辰の成績票は、得点と偏差値、志望校判定だけではありません。公式サイトの「個人成績票」の説明によると、次の項目が載っています。

  • 志望校判定。A3からDまでの10段階で、1つ上の判定に「あと何点」必要だったかも分かる
  • 小問ごとの正答率。受験生全体と、第1志望校が同じ人の正答率の両方が載る
  • 復習のヒント。正答率が高いのに不正解だった問題は×が赤色で表示され、第1志望校に合格するために確実に解けるようにしておきたい問題とされている
  • 合否を分ける問題。正答率グラフの中にラインで示され、そこまでの問題が全部解けるかが第1志望校合格の目安になる

つまり北辰は、次の回までに解けるようにしておく問題を、本人の答案から選び出して返してくれる模試です。

日程や出題範囲、成績票の見方の詳細は、公式サイトで確認できます。

偏差値が上がらない子は、赤×を残したまま次の回を受けています

北辰偏差値は「みんなが取れた問題を落とさない数」で決まります

北辰偏差値は、県内の同学年全体の平均が50になるように出される数字です。自分の点数ではなく、周りと比べた位置を表しています。

ここに、偏差値が上がらない理由があります。

正答率が20%の難しい問題は、周りの子もほとんど落としています。解けなくても位置は下がりません。解けるようになっても、位置はほとんど上がりません。

一方で、正答率が80%の問題を落とすと、周りの8割に一歩抜かれます。赤×が3つあれば、3回抜かれています。

偏差値50前後で止まっている子の成績票を見ると、赤×が数学と英語だけで5個も6個もあることが珍しくありません。

偏差値を止めているのは難しい問題ではなく、この赤×なんです。

 
赤×の問題って、見たら「あ、これ知ってたやつだ」ってなるんだよね。だから次は大丈夫だと思ってた。
NAO
その「知ってた」が落とし穴です。知っていたのに本番で落とした問題は、見直しただけではまた落とします。次の回までに、何も見ずに解いて○にしておく必要があるんです。

塾の北辰対策は「全員向け」なので、赤×は本人に残ります

塾の北辰対策が悪いわけではありません。ただ、塾の授業は教室の全員に向けて作られます。

扱うのは、次の回で新しく範囲に入る単元と、過去問の解説です。お子さんの成績票の赤×が、どの問題だったかまでは扱えません。赤×は一人ひとり違うからです。

私が塾にいたとき、北辰の成績票を持ってくる生徒はたくさんいました。でも、先生が見るのは偏差値と判定です。正答率の欄まで一緒に見る時間は、授業の前後にはありません。

だから赤×は、塾でも学校でも誰も触らないまま、次の回まで残ります。赤×を消す係は、家にしかないんです。

「解説を読んで納得した」は、消えたうちに入りません

成績票が返ってきたあと、多くの子は赤×の解説を読みます。読めば分かります。正答率が高い問題なので、解説も難しくありません。

ここで止まるから、次の回でまた同じところを落とします。

問題には3つの状態があります。解説を読んで納得した状態、自分の手で正解できる状態、日をあけても迷わず解ける状態です。

塾ではこれを「わかる」「できる」「スラスラできる」と呼んで区別していました。

赤×の解説を読んだ状態は、最初の「わかる」です。本番で○になるのは、3つ目のスラスラできるまで上げた問題だけです。

次の回までに赤×を消す、家でのやり方

成績票が出た日に、赤×の問題だけを抜き出します

第6回の成績は11月18日からWEBで確認できます。第7回は12月6日なので、残りは18日です。この18日の使い方で、第7回の偏差値が決まります。

  1. 成績票の正答率の欄を開き、赤×の付いた問題を5教科すべて書き出す。問題用紙に赤で印をつけるだけでいい
  2. その日のうちに、赤×の問題を解説を見ずにもう一度解く。解けなければ解説を読み、閉じて、もう一度解く
  3. 3日後と1週間後に、同じ問題をまた何も見ずに解く。2回続けて迷わず正解できたら、その赤×は消えたと数える
  4. 消えた赤×の数を、カレンダーに書く。次の回の前日までに、全部の赤×が消えていれば準備は終わり

赤×は、多くの子で5教科あわせて10個前後です。1問10分として、1日20分あれば18日で3回ずつ回せます。新しい問題集も、新しい講習も要りません。

新しく範囲に入る単元は、塾の授業で「わかる」までで十分です

第6回から第7回にかけて、数学も英語も中3の範囲が少し広がります。ここは塾の授業に任せてください。

新しい単元は、周りの子もまだ仕上がっていません。正答率が低い問題になります。落としても位置は下がりません。

家の時間を新しい単元に使って赤×を残す子と、新しい単元は塾に任せて赤×を消す子。次の回で偏差値が上がるのは、後ろの子です。

目標点との差を埋める場所は前回のテストの×がいちばんのヒントになることと、スラスラ解けるまで解き直す回数は、無料の7日間講座で1日1テーマずつ具体的に解説しています。

赤×が消えたら、次は「合否を分ける問題」のラインまで

赤×が全部消えても時間が残るなら、成績票の「合否を分ける問題」のラインを見てください。

ラインまでの問題のうち、×だったものが次の候補です。赤×と同じやり方で、何も見ずに3回○にします。

順番は必ず赤×が先です。取れたはずの点を取り戻してから、次の段階へ進みます。

 
赤×だけでいいんですか。過去問を何年分も解かせないと、不安で…
NAO
過去問を解くこと自体は悪くありません。ただ、解いた過去問の×も赤×と同じで、消さなければ点になりません。赤×を消し切る前に新しい過去問へ進むと、×が増えるだけで偏差値は動かないんです。

よくある誤解「偏差値が上がらないのは実力不足」の正体

誤解1 難しい問題が解けるようにならないと偏差値は上がらない

逆です。難しい問題は周りも落としているので、解けても位置はほとんど変わりません。偏差値50前後の子が先に取り戻すのは、正答率の高い赤×です。

誤解2 赤×は見直したから、もう大丈夫

見直しは「わかる」です。本番で○になるのは「スラスラできる」まで上げた問題だけです。何も見ずに2回続けて正解できるまで、赤×は消えていません。

誤解3 回数を受ければ、そのうち上がる

赤×を消さずに受け続けると、毎回同じ種類の問題を落とします。受けた回数ではなく、回と回の間に消した赤×の数で、次の偏差値が決まります。

偏差値48で止まっていた中3が、第7回で60になった話

9月の第4回まで、3回続けて偏差値48

塾で担当した中3の女の子でした。北辰は6月、7月、9月と3回受けて、偏差値はどれも48前後。志望校はD判定のままでした。

塾の北辰対策には休まず出ていて、過去問も自分で2年分解いていました。お母さんは「これ以上何をさせればいいのか」と、志望校を下げる相談に来られました。

成績票を開いたら、赤×が3回分で20個以上残っていた

私がやったのは、3回分の成績票を並べて、赤×を数えることでした。

数学の計算、英語の語順、理科の用語。3回とも、同じ種類の問題に赤×が付いていました。

本人は毎回解説を読んでいました。でも、何も見ずに解き直したことは一度もありませんでした。

赤×だけを消して、第7回で偏差値60

お願いしたのは、新しい過去問をやめて、3回分の赤×を何も見ずに3回ずつ解くことだけです。

10月の第5回で偏差値53、11月の第6回で57、12月の第7回で60になりました。

D判定だった志望校は合格圏に変わり、個別相談も予定どおり進んで、2月に合格しました。塾も教材も変えていません。変えたのは、成績票の見る場所だけです。

 
赤×なんて、今まで一度も見ていませんでした。偏差値と判定しか見ていなかったのは、私のほうでした。
NAO
お子さんは3回とも、取れたはずの点を落としていただけです。実力が足りなかったのではなく、消す場所を誰も指していなかった。点数の差は才能でも勉強量でもなく、赤×を次の回までに消しているかどうかの差なんです。

このやり方が向いている子、向いていない子

向いているのは、偏差値45から58くらいで止まっていて、成績票に赤×が毎回付いている子です。赤×がある分だけ、伸びしろが残っています。

偏差値が40に届かず、赤×の解説を読んでも分からない問題が多い子は、順番が違います。

北辰の問題より前に、中1・中2の教科書の問題でスラスラ解ける場所まで戻るほうが先です。

すでに赤×がほとんどなく、落としているのが正答率の低い問題だけの子は、ここからが「合否を分ける問題」のラインの出番です。

まとめ 北辰の偏差値は、次の回までに消した赤×の数で決まります

この記事のまとめ
  • 北辰偏差値は周りと比べた位置。正答率の高い問題を落とすほど下がり、難しい問題を解けても大きくは上がらない
  • 成績票の赤×は「正答率が高いのに落とした問題」。偏差値を止めているのは、この赤×
  • 塾の北辰対策は全員向けなので、赤×は本人に残る。消す係は家にしかない
  • 成績票が出た日に赤×を抜き出し、何も見ずに3回解く。2回続けて迷わず正解で「消えた」と数える
  • 新しく範囲に入る単元は塾の授業で「わかる」までで十分。赤×が消えたら「合否を分ける問題」のラインへ
NAO
第6回の成績票が出る11月18日から第7回までは18日あります。赤×を1日1問消すだけで、第7回の数字は変わります。成績票を開いたら、偏差値の前に赤×を数えてみてください。

第7回の申込は11月5日から15日までです。日程や出題範囲の最新情報は、公式サイトで確認できます。

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