
大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』
1学期の数学は80点台だった。それが2学期の中間テストで60点台に落ち、期末に向けた今も、方程式の文章題や比例のプリントで手が止まっている。
計算はできるはずなのに、なぜ急に下がったのか。「数学が苦手になった」「ここでつまずくと高校受験まで響く」と不安を感じている中1の保護者の方は多いと思います。
この記事では、元塾講師の私が、中1の2学期に数学が急に下がる本当の理由と、期末テストまでに戻す順番をお伝えします。
先に結論をお伝えします。お子さんの数学の力は落ちていません。
1学期の80点は「計算の点」で、2学期から採点されるのは「式を自分で立てる力」です。測られるものが入れ替わっただけなんです。
そして、式を立てる力がつかない原因もはっきりしています。答え合わせで答えしか見ていないからです。
答え合わせの単位を答えから式に変えれば、期末テストまでに戻ります。
中1の1学期に習うのは、正負の数と文字式です。どちらも計算です。
計算問題は、式がはじめから書いてあります。お子さんがやるのは、習った手順どおりに変形することだけです。手順を覚えていれば、意味が分かっていなくても○になります。
だから1学期は、小学校の算数が得意だった子なら、特別な勉強をしなくても80点が取れてしまうんです。
2学期に入ると、方程式の利用、つまり文章題が始まります。続いて比例と反比例です。
ここで初めて、式を自分で作る問題が出てきます。文章を読んで、何をxにするか決めて、等しい関係を見つけて、式にする。計算はそのあとです。
2学期の期末テストは、この「式を立てる問題」が半分近くを占めます。計算だけで取れていた点数が、ここで初めて計算だけでは取れなくなります。
つまり、2学期の60点は、数学ができなくなった点数ではありません。
式を立てる練習を、まだ一度もしていない状態で受けた点数です。できなくなったものを戻すのではなく、まだやっていない練習を始めるだけなので、戻りは早いんです。



お子さんの数学のワークを開いてみてください。文章題のところで、答え合わせがこうなっていませんか。
計算問題なら、これで大きな問題はありませんでした。答えが違えば、途中のどこかで計算を間違えただけだからです。
でも文章題の×は、1種類ではありません。
式は合っていたのに、計算で間違えた×。それと、そもそも式が立てられなかった×。この2つは、直し方がまったく違います。
答えだけを見る答え合わせでは、この2つが同じ×に見えます。だからお子さんは、式が立てられなかった問題でも「計算ミスかな」で済ませて次へ進みます。
式を立てる練習が、始まらないまま終わるんです。
問題には3つの状態があります。解説を読んで納得した状態、自分の手で正解できる状態、日をあけても迷わず解ける状態です。
塾では「わかる」「できる」「スラスラできる」と呼び分けていました。
計算問題は、「わかる」と「できる」の差がほとんどありません。手順をなぞれば解けるからです。
文章題は違います。解説の式を見れば「なるほど」と分かる。でも、次の問題で自分では立てられない。中1の2学期は、わかると できるの差が、初めて点数に出る時期なんです。
新しい問題集も、塾の追加も要りません。今のワークの答え合わせを、次のように変えてください。
ポイントは、式が立てられたら、計算をしなくてもいい日があってもいいということです。
2学期に足りないのは計算ではなく式なので、式だけを何度も立てる練習のほうが、点数に近いんです。
比例と反比例でつまずく子も、原因は同じです。表やグラフから「yをxの式で表す」ところ、つまり式を立てるところで止まっています。
ここも、答えの数字ではなく「y=の式」に○×をつけてください。式さえ立てば、あとは1学期にできていた計算です。
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中1の文章題で必要な読む力は、国語の読解とは別物です。「何をxにするか」「何が等しいか」の2つを探すだけです。
探し方を練習していないだけで、読めていないのではありません。
計算は1学期に仕上がっています。計算ドリルを増やしても、2学期の×は減りません。増やすのは、式を立てる回数です。
方程式と比例は、中2の連立方程式と一次関数、中3の二次方程式と関数に、そのままつながります。
ここで式を立てる力が身についた子は、中2以降の数学で落ちにくくなります。逆に言えば、今が直しどきです。






塾で担当した中1の男の子でした。1学期の数学は2回とも80点台。お母さんも本人も、数学は得意だと思っていました。
2学期の中間テストは、方程式の利用が中心でした。結果は23点。お母さんは「急にやる気をなくしたのか」と心配して、塾の数学を週2回に増やす相談に来られました。
私が見たのは、答案ではなくワークです。文章題のページは、答えの数字だけが赤で書き直してありました。式は一つも書き直されていません。
本人に解説を見せると、どの問題も「あ、分かる」と言いました。わかるのに、立てられない。式を立てる練習を、一度もしていなかっただけでした。
塾の回数は増やしませんでした。変えたのは、答え合わせを式でやること、式に×だった問題を3日後に白い紙で立て直すこと。この2つだけです。
4週間後の期末テストで、数学は23点から67点になりました。文章題の大問で、初めて半分以上取れました。






数学の中身が分からなくても、できることがあります。聞き方を1つ変えることです。
答えを教える必要はありません。見る場所を答えから式に変える役を、お母さんが持つだけで十分です。



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