
大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』



ワークは3周やっている。宿題も全部出している。塾にも通っている。それなのに、テストはいつも50点台。
こんな状況にお悩みの方へ、今回は私が個別指導塾で担当した、まさに同じ状況だった中学3年生の話を紹介します。
彼は勉強のやり方をたった1つ変えただけで、ずっと55点前後だった数学が、次の定期テストで83点まで伸びました。勉強時間は、1分も増やしていません。
がんばっているのに伸びないのは、才能の差でも、勉強量の差でもありません。同じ3時間でも「何に時間を使っているか」という、勉強の質の差なんです。



その生徒は、本当に真面目な子でした。
学校のワークは必ず3周。提出物は一度も遅れたことがない。塾の宿題も完璧。バスケ部の練習で疲れて帰ってきても、机にはきちんと向かう。
それなのに、数学のテストは中2からずっと55点前後。平均点に届くか届かないか、というラインから1年以上動いていませんでした。






お母さんも本人も、半分あきらめかけていました。塾に通わせて、教材にもお金をかけてきたのに結果が出ないのですから、そう思ってしまうのも無理はありません。
でも、私は彼のワークを見せてもらった瞬間、「この子は絶対に伸びる」と確信しました。
彼のワークには、3周分の解いた跡がきれいに残っていました。1周目も、2周目も、3周目も、最初のページから最後のページまで、全部の問題を律儀に解き直していたんです。
ここに、停滞の正体がありました。
彼のワークの正答率は、1周目の時点ですでに7割ほど。つまり、2周目と3周目の時間のほとんどは、最初から解けていた問題をもう一度解くことに使われていました。
一方で、本当に伸びる材料である「間違えた問題」に使えた時間は、全体のほんの一部です。しかも、全部のページを均等に回していくので、間違えた問題も1問あたり1〜2回ずつしか解き直せていません。これでは定着しません。
仮にテスト前の1週間で9時間勉強していたとすると、×の問題に使えていたのはせいぜい2〜3時間。残りの6時間以上は、点数が1点も変わらない勉強に消えていた計算になります。彼の努力が報われなかったのは、努力が足りなかったからではなく、努力の大半が点数につながらない場所に流れていたからでした。



そもそも、テストの点数が上がる瞬間は、たった1つしかありません。それは、前回は×だった問題が、○に変わった瞬間です。
逆に言うと、すでに○の問題を何回解き直しても、○は○のままなので、点数は1点も上がりません。
点数を上げる勉強とは、×を○に変える勉強だけなんです。
ところが、真面目な子ほど、すでに○の問題に時間を使ってしまいます。理由はシンプルです。
どれも、サボっているわけではありません。むしろ真面目だからこそ、「全部を均等にやる」ことを選んでしまうんです。
でも、その結果どうなるか。3時間勉強しても、×を○に変える時間はほんのわずか。これが、「がんばっているのに伸びない」の正体です。
そして、ここに気づかないまま多くのご家庭が選ぶのが、「もっと量を増やす」という方法です。問題集をもう1冊買う。塾のコマを増やす。通信教育を追加する。でも、時間の使い方が同じままなら、増やした時間もまた、すでに○の問題の解き直しに吸い込まれていきます。だから、お金をかけても結果が変わらなかったんです。足りなかったのは量ではなく、×に向かう時間でした。
逆に、いつも80点以上を取ってくる子は、特別な才能があるわけではありません。彼らは自然と「できない問題だけ」に時間を集中しています。同じ3時間でも、中身がまったく違うんです。



では、彼に何を伝えたのか。たった1つです。
1周目で○だった問題は、もう解かなくていい。そのかわり、×の問題だけを、何も見ずに自力で解けるようになるまで、何度でも解き直すこと。
具体的には、次の3ステップです。ご家庭でも今日からそのまま真似できます。
1周目は、実力チェックのつもりで普通に解きます。大切なのは、間違えた問題に必ず×印をつけておくことです。
この×印こそ、お子さんの伸びしろがそのまま一覧になったものです。次のテストで上がる点数は、すべてこの×印の中に眠っています。
2周目からは、○だった問題は飛ばして、×印の問題だけを解きます。
ページ数だけ見れば、勉強量は一気に減ったように見えます。でも、それでいいんです。減らした分の時間を、すべて×の問題に注ぎ込みます。






×印の問題は、答えを見ずに自力で正解できるまで、3回、5回と繰り返します。覚えにくい問題なら10回でも普通です。
「そんなに必要なの?」と思われるかもしれませんが、1〜2回しか会ったことのない人の顔と名前を覚えるのが難しいのと同じで、1〜2回解いただけの問題をテスト本番で思い出すのは、よほどの記憶の達人でない限り難しいんです。逆に言えば、あと数回繰り返すだけで、今まで取りこぼしていた問題が確実に得点に変わります。
注意してほしいのは、「答えを見た直後だから解けた」はまだ×のままだということです。時間を置いてもう一度解いて、迷わずスラスラ解けたら、はじめて○に変わった合図です。
ご家庭でサポートするときは、「今日は何時間勉強したの?」ではなく、「今日は何問、×を○にできた?」と聞いてあげてください。
聞かれる質問が変わると、お子さんの勉強の中身も自然と変わっていきます。そして「3問も○にできたんだね!」と、増えた○を一緒に喜んであげてください。それが、お子さんにとって何よりのご褒美になります。
やり方を変えて最初の定期テストで、彼の数学は83点でした。1年以上動かなかった55点の壁を、一気に28点も超えてきたんです。
実は、始めて最初の数日、彼は不安そうでした。○の問題を飛ばすので、以前のようにページが進まず、「勉強した感じがしない」と言うんです。でも、テスト前の総チェックで変化に気づきました。今までなら手が止まっていたはずの問題が、次々とスラスラ解ける。「あ、これ全部できるようになってる」と、本人が一番驚いていました。






繰り返しますが、彼は勉強時間を1分も増やしていません。ワークを律儀に3周していた時間を、そのまま「×だけを5回、10回」に置き換えただけです。
そして何より大きかったのは、彼が「やれば上がる」と心から思えたことです。その後は他の教科にも同じやり方を広げて5教科合計も大きく伸ばし、部活と両立しながら、第一志望の高校に進んでくれました。
「×だけに時間を集中する」という考え方で伸びたのは、彼だけではありません。私が指導してきた生徒たちは、同じ考え方で次のような結果を出してくれています。
学年も教科も点数帯もバラバラですが、共通しているのは、勉強時間ではなく時間の中身を変えたことだけです。
お子さんが真面目にがんばっているのに平均点前後で止まっているなら、それは才能の限界ではありません。むしろ、その真面目さは最大の武器です。机に向かう力がすでにあるのですから、あとは向ける先を「×の問題」に変えるだけで、これまで積み上げてきた努力が一気に点数に変わり始めます。



今回の話をまとめます。
ただし、今回紹介した方法は、勉強法の正し方の一部です。実際の成績アップには、解き直しの質の上げ方や、テスト前の仕上げ方など、いくつかの要素が組み合わさってはじめて結果につながります。
お子さんが伸び悩んでいるのは、才能の問題ではなく、勉強法のズレが原因です。間違った勉強法をどこからどうやって正していけばいいのか、その全体像は、次の無料7日間講座で詳しく解説しています。よろしければ受け取ってみてください。
勉強法を正すだけで、短期間でも結果は劇的に変わります。次のテストで「やれば上がるんだ!」と笑うお子さんの顔を、ぜひ見てあげてください。
教材や塾以上に大切なのは「勉強のやり方」です



「いい教材」や「いい塾」を選んでも、まだ成績が伸び悩むことがあります。
良質な教材や塾は、とても心強い存在です。
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その原因は、そもそもの「勉強のやり方」がズレてしまっていること。つまり、塾や教材の「使い方」が間違っていることです。
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