
大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』



家ではワークの問題が解けている。テスト勉強もしている。それなのに、テスト本番になると、なぜか点数にならない。
こうなると、「うちの子は本番に弱い」「あがり症なのかも」「ケアレスミスが多い性格だから」と、性格やメンタルの問題に見えてきます。でも、性格の問題なら直しようがなくて、途方に暮れてしまいますよね。
大丈夫です。これは性格の問題ではなく、勉強の仕上げ方の問題です。今回は、まさに「本番に弱い」と思われていた中学3年生が、仕上げの基準をたった1つ変えただけで、数学76点から98点になった話を紹介します。



その生徒は、偏差値60台の進学校を目指していた、しっかりした子でした。
ワークは間違えた問題を解き直して、最後には全部の問題に○がつくまでやり込む。テスト前に「やり残し」はない状態を毎回つくっていました。実際、家でお母さんが問題を出しても、ちゃんと解けていたそうです。
それなのに、数学のテストはいつも70点台。志望校には90点台が必要なのに、76点前後の壁がどうしても破れませんでした。



テストが返ってくるたびに、お母さんは「家ではできてたのに、なんで?」「ケアレスミスばっかりじゃない、見直ししなさいって言ったでしょ」と、もどかしい思いをされていました。本人も「自分は本番に弱い」と思い込み始めていました。
私は彼に、仕上げたはずのワークの問題を、テストと同じように時間を測って解いてもらいました。すると、どうなったか。
解き始めるまでに、何度も手が止まる。「えっと、これどうやるんだっけ」と思い出すのに時間がかかる。結局、時間内に最後まで終わりませんでした。
つまり、彼の「家では解ける」は、時間無制限で、思い出すヒントがそろった安心できる環境での「なんとか解けた」だったんです。本番で崩れていたのではなく、本番レベルの仕上がりに、最初から届いていなかった。それだけのことでした。
同じ「解けた」でも、中身には2段階あります。
家での勉強なら、どちらも同じ○に見えます。でも、テスト本番には時間制限と緊張があります。この2つの負荷がかかると、「なんとか解けた」レベルの問題から順番に崩れていくんです。思い出すのに時間がかかって最後まで解き切れない。あせって計算をミスする。いわゆるケアレスミスの多くも、実は性格ではなく、仕上がりが「なんとか」レベルだったというサインです。
逆に、スラスラまで仕上がった問題は、緊張していても崩れません。自転車と同じです。一度スラスラ乗れるようになった自転車は、人前で緊張していても、ちゃんと乗れますよね。



そして、これは70点台の子だけの話ではありません。50点台で止まっている場合も、仕組みは同じです。「家ではできていた」のに本番で取れないなら、点数帯に関係なく、○の基準が本番より甘くなっています。
彼に伝えた新しいルールは、たった1つです。
なんとか解けたは、まだ×。問題を見た瞬間に手が動いて、スラスラ解けたときだけ○と数えること。
やり方は、次の3ステップです。
ワークの解き直しが終わったら、それで終わりにせず、最後に本番と同じ条件で確認します。何も見ない、時間を測る、まとめて解く。この3つをそろえるだけで、家にいながら本番レベルの仕上がりチェックができます。
確認テストで大事なのは、正解したかどうかではなく、スラスラ解けたかどうかです。答えが合っていても、思い出すのに時間がかかった問題、途中で一度詰まった問題は、本番では崩れる可能性が高い問題です。勇気を持って×に戻してください。






×に戻した問題を、また解き直します。そして翌日以降にもう一度、時間を測って確認する。スラスラ解けたら、そこで本当の○です。テスト本番までに、テスト範囲の問題をすべて本当の○にする。これが「仕上げ切った」という状態です。
ご家庭では、「見直ししなさい」「本番で集中しなさい」の代わりに、「最後に時間を測って、何も見ないで解けるか試してみたら?」と声をかけてあげてください。
本番への注文は、お子さんを緊張させるだけで、仕上がりは1ミリも変わりません。変えられるのは、本番の前の仕上げ方だけです。声をかける場所を本番から準備へ移すこと。それが、ご家庭でできる一番のサポートです。
仕上げの基準を変えて最初の定期テストで、彼の数学は98点でした。あれだけ破れなかった70点台の壁を、一気に22点超えてきたんです。






スラスラまで仕上げた問題は、見た瞬間に手が動くので、解くスピードそのものが上がります。だから時間が余り、見直しができ、ケアレスミスまで減る。「本番に弱い」と言われていた子が、何も性格を変えずに、本番に一番強い子になりました。
彼はその後も90点台を安定して取り続け、志望していた進学校に、数学を得点源にして合格してくれました。
○の基準をスラスラに引き上げるという考え方で、私が指導してきた生徒たちは次のような結果を出してくれています。
「家ではできるのに」と感じているなら、それはむしろ良い知らせです。理解する力も、解き直す習慣も、もうあるということだからです。あとは仕上げの基準を本番に合わせるだけ。お子さんの努力は、すでに合格点です。届いていないのは努力ではなく、基準だけなんです。
今回の話をまとめます。
ただし、今回紹介した方法は、勉強法の正し方の一部です。実際の成績アップには、解き直しの進め方や、テストまでの時間の使い方など、いくつかの要素が組み合わさってはじめて結果につながります。
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勉強法を正すだけで、短期間でも結果は劇的に変わります。テストから帰ってきたお子さんが「時間余ったよ!」と笑って言う日を、ぜひ楽しみにしていてください。
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