分かる単元と分からない単元の差が激しい中3は、残り5ヶ月でどこから手をつける?「積み上げ型」と「単元独立型」で戻り方が変わる、順番の決め方を元塾講師が解説

この記事を書いた人
NAO / 家庭学習法アドバイザー

大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』

得意な単元は満点に近いのに、苦手な単元はほとんど白紙。同じ教科の中で、分かることと分からないことの差があまりに激しい。平均すると平均点に届かず、中3の10月、受験まで5ヶ月を切ったいま、「どこから手をつければいいのか」が見えなくて立ち止まっている方に向けて書きます。

先にお伝えしたいのは、差が激しいこと自体は、悪いサインではないということです。むしろ、どこを直せば点数に変わるかが見えている状態です。問題は、そこへ手をつける順番を間違えると、5ヶ月で何も仕上がらないことです。元塾講師として、理解度にムラのある子を何人も志望校に送り出してきた立場から、順番の決め方をお話しします。

目次

結論、全部を均そうとしないでください。手をつける順番は「教科の性質」で決まります

理解度の差が激しい子に対して、多くの家庭がやってしまうのは、「苦手な単元を全部つぶそう」とすることです。苦手な単元の一覧を作り、片っ端からやり直す。気持ちは分かりますが、5ヶ月でそれをやると、どの単元も中途半端に終わります。

 
でも、分からない単元を放っておいたら、そこがそのまま失点になりますよね。全部やらないと不安です。
NAO
全部やらなくて大丈夫です。教科によって「戻らないと解けない単元」と「飛ばしても他が取れる単元」があるので、そこで順番を決めます。

手をつける順番は、お子さんの好き嫌いや苦手意識ではなく、その教科が「積み上げ型」か「単元独立型」かで決まります。数学と英語は積み上げ型、理科と社会、国語の知識分野は単元独立型です。この2つは、戻り方がまったく違います。

差が激しいのは「できる単元」と「わかる止まりの単元」が混ざっているサインです

勉強には、説明を聞けば理解できる「わかる」、自分の力で正解できる「できる」、迷わず手が動く「スラスラできる」の3段階があります。テストで点になるのは「できる」から先だけです。

理解度の差が激しい子の中では、スラスラできる単元と、「わかる」で止まったままの単元が混ざっています。得意な単元は、たまたま何度も解く機会があってスラスラまで到達した単元。苦手な単元は、授業で聞いて分かった気はしたものの、自分の手で解き切る回数が足りなかった単元です。

つまり、苦手な単元は「理解できない単元」ではなく「仕上げていない単元」です。才能の差ではなく、仕上げた回数の差です。だから、仕上げる順番さえ正しければ、差は5ヶ月で埋まっていきます。

数学と英語は「崩れた最初の単元」まで戻って、1本につなげます

積み上げ型の教科では、分からない単元の原因は、たいていその単元の中にはありません。数学なら、関数が解けない原因は方程式や文字式にあり、英語なら、長文が読めない原因は文の形や時制の基本にあります。

だから積み上げ型では、分からない単元を直接やり直しても、なかなか解けるようになりません。分からない単元の1つ手前、2つ手前へ戻り、スラスラ解ける単元と分からない単元の境目を見つけて、そこから1本につなげ直すことが必要です。遠回りに見えますが、土台が直ると上の単元が一緒に解けるようになるので、結果としていちばん早い道になります。

 
数学は関数が全然分からない。でも関数の問題集をやっても、やっぱり分からないままなんだよね。
NAO
それは関数の問題ではなく、方程式や文字式のどこかが「わかる」止まりになっているサインです。1つ手前に戻ると、関数が急に見えてきますよ。

理科・社会・国語の知識分野は「配点が大きくて×が多い単元」から順に仕上げます

一方、単元独立型の教科は、戻る必要がありません。地理が苦手でも歴史は取れますし、化学分野が白紙でも生物分野は仕上がります。だからこの教科では、順番の決め方が変わります。

基準は2つです。1つは、入試での配点や出題の多さ。もう1つは、直近の模試や定期テストでの×の多さ。配点が大きいのに×が多い単元から、1単元ずつスラスラまで仕上げて次へ進む。これだけです。ここで大切なのは、同時に何単元も手をつけないことです。1つが仕上がってから次へ。この進め方なら、5ヶ月で10単元前後は確実に点数に変わります。

残り5ヶ月の進め方と、やめること

  1. 直近の模試と定期テストを使って、教科ごとに「スラスラできる単元」「わかる止まりの単元」「習っていない単元」に分ける。これが残り5ヶ月の地図になります。
  2. 数学と英語は、わかる止まりの単元の1つ手前まで戻り、境目の単元から順にスラスラまで仕上げる。
  3. 理科と社会は、配点が大きくて×が多い単元から、1単元ずつ仕上げる。1週間に1〜2単元が目安です。
  4. どの教科でも、解けなかった問題は答えを見ずにスラスラ解けるまで解き直す。1回できたで終わらせず、日を空けてもう一度解く。
  • やめること その1 苦手単元の一覧を作って片っ端からやり直すこと
  • やめること その2 分からない単元の問題集を、その単元だけで何周もすること(積み上げ型では土台に戻らないと解けません)
  • やめること その3 得意な単元にも毎日同じだけ時間を使うこと(スラスラの単元は、確認程度で十分です)

ここで書いた順番は、理解度にムラがある子を立て直すときの骨組みの部分です。どの単元が境目かの見つけ方や、解き直しをどこまで繰り返すか、5教科全体での時間の配分は、組み合わせて初めて結果につながります。順番だけを真似して、解き直しの深さが足りないと、差は埋まりません。

「できるところまで戻る」ときの境目の見つけ方や、スラスラまで仕上げる解き直しの手順は、無料の7日間LINE講座で1日1テーマずつ解説しています。5ヶ月の地図を描き直したい方は、先に全体の流れをつかんでおくと迷いが減ります。

「全部つぶす」をやめた子は、46点から78点になりました

指導事例
  • 得意な単元は満点近く、苦手な単元はほぼ白紙で、テストでは46点だった子。本人は「全部できるようにならないと」と、苦手単元の一覧を作って順番にやり直していましたが、どれも中途半端で終わっていました。
  • やったことは、一覧をいったん捨てて、配点が大きくて×が多い単元を1つだけ選び、スラスラ解けるまで解き直してから次へ進むこと。積み上げ型の教科は、分からない単元の手前に戻って境目を見つけました。
  • 結果、次のテストで46点から78点へ。白紙だった単元が1つずつ点数に変わり、「差が激しい」が「取れる単元が増えた」に変わりました。

この子に起きたのは、能力の変化ではありません。手をつける順番と、1単元ずつ仕上げ切るやり方に変えただけです。理解度の差が激しい子は、直す場所がはっきり見えている分、順番さえ正しければ最も伸びやすい子です。

 
全部をなくそうとして、結局どれも中途半端でした。1つずつ仕上げるなら、この子でもできそうです。

お母さんにできるのは「苦手を全部なくそう」と言わないことです

差が激しいお子さんを見ると、つい「苦手なところを全部やりなさい」と言いたくなります。でもこの言葉は、お子さんに「終わらない宿題」を渡すのと同じです。やってもやっても終わらない感覚が、やる気を削ります。

代わりに、こう聞いてみてください。「今週、スラスラになった単元はどれ?」。1つでも答えが返ってきたら、それで十分です。1週間に1単元が仕上がれば、5ヶ月で20単元近くが点数に変わります。全部を均すのではなく、取れる単元を1つずつ増やす。その積み重ねが、合計点をいちばん大きく変えます。

理解度の差が激しいのは、才能のムラではなく、仕上げた回数のムラです。順番を正して1つずつ仕上げれば、差は埋まり、合計点はまとまって上がります。残り5ヶ月は、そのための十分な時間です。

まとめ 理解度の差が激しい中3は、どこから手をつけるか

この記事のまとめ
  • 差が激しいのは「できる単元」と「わかる止まりの単元」が混ざっているサインで、才能ではなく仕上げた回数の差
  • 手をつける順番は好き嫌いではなく、教科が「積み上げ型」か「単元独立型」かで決まる
  • 数学と英語は、分からない単元の手前に戻って境目を見つけ、そこから1本につなげ直す
  • 理科・社会・国語の知識分野は、配点が大きくて×が多い単元から1つずつスラスラまで仕上げる
  • 「苦手を全部なくそう」ではなく、「今週スラスラになった単元はどれ?」と聞く

この記事でお伝えした順番は、勉強のやり方を正すための一部です。境目の見つけ方、解き直しの深さ、5教科全体での時間の配分がそろって初めて、短期間で差が埋まります。全体の正し方は無料の7日間LINE講座で順番にお伝えしていますので、残り5ヶ月の地図を描き直したい方はぜひ確認してみてください。

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NAO

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