定期テストの目標点に毎回届かない中学生へ|「80点」と書いて60点台が続くのは目標が高いからではありません。目標を下げても同じ場所で落とす理由と、目標を「何点」ではなく「どの問題を○にするか」で決める前回の答案の使い方を元塾講師が解説

この記事を書いた人
NAO / 家庭学習法アドバイザー

大阪大学卒/塾講師歴5年/家庭教師歴6年/E判定から阪大へ逆転合格/勉強法を教えた生徒は「2週間で苦手教科が27→73点」「定期テストの5教科合計200点以上アップ」「E判定から3ヶ月で逆転合格」など、劇的な成績アップを多数達成/著書『成績があがる中学生の勉強法』『だから勉強ができない20の考え方』

期末テストの前に、学校から目標点を書く用紙が配られた。お子さんは今回も「数学80点」と書いた。

前回も、その前も、目標は80点。結果は3回とも60点台です。

本人なりにテスト勉強はしている。それでも届かない目標を見て、「高すぎるのか」「下げさせたほうがいいのか」と迷っている方は多いと思います。

この記事では、元塾講師の私が、目標点に毎回届かない本当の理由と、目標の決め方を1つ変えるだけで届き始める方法を、お悩みの方にお伝えします。

 
毎回、目標点だけは立派なんです。でも結果は60点台。目標を下げさせたほうが、本人のためなんでしょうか…

先に結論をお伝えします。目標が高すぎるのではありません。

届かないのは、目標が「何点」だけで、「どの問題で取るか」が決まっていないからです。

目標を下げても、上げても、同じ勉強をすれば同じ場所で落とします。

変えるのは目標の高さではなく、目標の中身です。目標を「点数」ではなく「○にする問題」で決める。それだけで、目標との差がそのまま勉強する場所になります。

目次

目標点に届かない中学生に共通している「目標の決め方」

目標点の用紙には、点数しか書く欄がありません

学校の用紙には「目標 80点」と書く欄はあっても、「どの問題で」を書く欄はありません。

だからお子さんの頭の中でも、目標は80点という数字で止まります。

ところが点数は、取れた問題の配点を足した合計です。80点という目標は、本当は「どの問題を○にするか」の集まりなんです。

数字だけが決まって、中身が決まっていない。これが、届かない子の目標の形です。

「何点」だけ決めると、勉強は「範囲を全部」になります

目標が点数だけだと、テスト勉強の計画は自然に「範囲のワークを全部やる」になります。

全部やる勉強では、時間の多くが、すでに解ける問題に使われます。

そして前回落とした問題には、前回と同じ時間しか回りません。

結果は、前回と同じ場所で落とす。目標点だけが、毎回60点台の上に浮いたままになります。

目標との差20点は、問題にすると4〜6問です

80点を目標にして62点だった子の差は18点。配点が3〜5点の問題なら、4〜6問分です。

つまり目標との差は、「もっと勉強する」ではなく、○にする問題をあと4〜6問増やすという意味なんです。

4〜6問なら、どの問題にするかを決められます。決めた問題なら、5回解き直せます。

「20点上げる」は手の打ちようがなくても、「この5問を○にする」は今日から打てます。

NAO
目標点が悪いわけではありません。点数には、どの問題で取るかが書いていないだけなんです。その続きを家で書き足してあげると、目標は急に現実の計画に変わりますよ。

差を埋める場所は、新しい単元ではなく前回の答案にあります

前回の×の中に、目標との差はもう入っています

届かない子の答案を見ると、×の多くが「解説を読めば分かる×」です。

一度は習っていて、解き方の説明を読めば「ああ、これか」と分かる問題。でも本番では手が止まった問題です。

この×の配点を足すと、目標との差とだいたい同じになります。20点足りない子の答案には、読めば分かる×が20点分あるんです。

差を埋める場所は、まだ習っていない新しい単元ではなく、前回の答案の中にもうあります。

「わかる」「できる」「スラスラできる」の違い

塾では、問題の状態を3つに分けて見ていました。

  • わかる。解説を読めば納得できる
  • できる。時間をかければ、自力で正解にたどり着く
  • スラスラできる。何も見ずに、迷わず手が動く

テストで○になるのは、スラスラできるまで上がった問題だけです。

目標に届かない子の×は、ほとんどが「できる」で止まった問題です。家では解けたのに、本番では時間が足りなくなるか、途中で止まる。

読めば分かる×を、スラスラできるまで上げる。それが、目標との差をそのまま点数に変える作業です。

目標を下げても、上げても、落とす場所は変わりません

「80点は高いから70点にしよう」と目標を下げても、勉強の中身が「範囲を全部」のままなら、落とす場所は同じです。

逆に「90点を目指せば80点は取れる」と上げても、同じです。

目標の高さは、点数を決めていません。点数を決めているのは、○にする問題を決めたかどうかです。

だから、用紙に何点と書くかで悩む必要はありません。悩む場所は、その80点をどの問題で作るかです。

目標を「点数」から「○にする問題」に変える手順

用意するのは、前回のテストの答案と問題用紙、それから今回の範囲のワークです。

  1. 前回の答案と問題用紙を机に出す。点数は見ない
  2. ×を2つに分ける。本人に解説を読ませて、「読めば分かる×」と「読んでも分からない×」のどちらかを聞くだけ
  3. 読めば分かる×の中から、配点の合計が目標との差になる分を選ぶ。18点差なら4〜6問
  4. 選んだ問題に名前をつける。「連立方程式の文章題」「表から式を作る問題」「疑問文への書き換え」のように、問題の種類で言えるようにする
  5. 今回の範囲のワークで、その種類の問題だけを解く。日をあけて5回、何も見ずにスラスラ解けるまで
  6. テストが返ってきたら、点数より先に、その種類の問題が○になったかを答案で確かめる

用紙には「80点」と書いて構いません

学校の用紙は、今までどおり「80点」でいいんです。

変えるのは家の中の目標です。80点ではなく、連立の文章題2問と表から式を作る問題、というように問題の名前で言える状態にします。

目標を問題の名前で言えるようになった子は、勉強を始めるとき、どのページを開くかで迷わなくなります。

「読んでも分からない×」は、今回の目標に入れません

解説を読んでも分からない×は、前の単元や前の学年に戻る必要がある問題です。

戻るかどうかの判定基準は、今の問題集の解説がスラスラ理解できるかどうか。読めない×は目標の候補から外して、別の時間で戻ります。

今回の目標は、読めば分かる×だけで作ります。それだけで、目標との差は埋まるからです。

選んだ問題は、5回解き直して「スラスラ」まで上げます

選んだ4〜6問は、範囲のワークの同じ種類の問題と合わせて、日をあけて5回解きます。

1回目で解けても、終わりにしません。1回目の○は「できる」であって、「スラスラできる」ではないからです。

3日後、1週間後と日をあけて、迷わず手が動くようになったら、その問題は本番でも○になります。

中間テストが悪かった直後に、期末までをどう使うかはこちらの記事に書きました。この記事の目標の作り方と合わせて使えます。

目標点と今の点数の差を埋める場所をピンポイントで勉強する考え方と、前回のテストの×がいちばんのヒントになる理由、スラスラ解けるまで解き直す回数は、無料の7日間講座で1日1テーマずつ具体的に解説しています。

よくある誤解「目標が高すぎるから届かない」の正体

誤解1 目標を下げれば届く

下げた目標にも、同じ理由で届きません。落とす場所が決まっていないからです。

目標を下げて届いた子は、たまたま今回の範囲が得意だっただけで、次はまた届きません。

誤解2 高い目標を立てれば、やる気が出る

やる気が出るのは、目標が高いときではなく、目標に近づいている実感があるときです。

「この5問を○にする」という目標は、1問○になるたびに近づきます。点数の目標は、テストの日まで1ミリも近づきません。

誤解3 目標点は勉強時間で決めるもの

「毎日2時間やれば80点」と、時間で目標を立てる家庭は多いです。

でも、2時間を範囲全部に使えば、前回と同じ場所で落とします。時間は目標ではなく、選んだ問題を5回解くための材料です。

誤解4 今回は範囲が広かったから届かなかった

範囲が広くても、目標との差は変わりません。差は、読めば分かる×の数で決まるからです。

範囲の広さが効いてくるのは、全部やる勉強をしているときだけです。

 
目標は80点って書いたけど、正直、何をどれだけやれば80点になるのか分かってない。
NAO
それが普通なんです。80点は、どの問題で取るかを決めて初めて計画になります。前回の答案を開いて、○にする問題を5つ選ぶ。そこから始めれば、目標はもう遠くないですよ。

「英語60点」に3回届かなかった中2が、65点になった話

目標は毎回60点、結果は3回とも30点台

中2の女の子でした。英語の目標点は、1年生のときからずっと「60点」。結果は3回続けて30点前後です。

テスト前は毎日1時間、範囲のワークを1ページ目から全部やっていました。真面目で、ワークの提出も完璧です。

お母さんは「目標が高すぎるのでは」と、次は50点と書かせようか迷っていました。

答案を見ると、落とす場所は3回とも同じでした

私が3回分の答案を並べると、×の場所は毎回同じでした。一般動詞の疑問文と否定文への書き換え、それから語句の並べ替えです。

どちらも、解説を読めば本人が「分かる」と言える問題でした。配点を足すと、ちょうど30点近くありました。

目標の60点と結果の31点の差は、まるごとこの2種類の中に入っていたんです。

目標を「2種類の問題」に変えて、ワークはその問題だけ

次のテストの目標は、用紙には60点と書いて、家では「書き換えと並べ替え」の2種類にしました。

範囲のワークは全部やらず、この2種類の問題だけを日をあけて5回。勉強時間は前と同じ、1日1時間です。

結果は、英語31点から65点。初めて、目標の60点を超えました。

 
目標を下げようとしていた自分が恥ずかしいです。足りなかったのは点数ではなくて、どこで取るかだったんですね。
NAO
勉強時間は1分も増えていません。変えたのは目標の中身だけです。点数の差は才能でも勉強量でもなく、○にする問題を決めているかどうかの差なんです。

お母さんにできるのは、目標点を書く日に前回の答案を一緒に開くことです

目標の中身を決める作業は、教科の中身が分からなくてもできます。答案を開いて、お子さんに聞くだけです。

  • 「今回は、どの問題を○にする?」(「何点取るの?」の代わりに)
  • 「この×、解説を読んだら分かる?」(分かると言った問題が、目標の候補)
  • 「じゃあ、その問題の名前を教えて」(連立の文章題、のように言えたら目標は完成)
  • テストが返ってきたら、「何点だった?」より先に「あの問題、取れた?」

「何点取るの?」と聞くと、お子さんは数字を答えて終わります。「どの問題を○にする?」と聞くと、お子さんは答案を開きます。同じ目標の話でも、始まる行動が違います。

選んだ問題が○になっていれば、点数が目標に届かなくても、次の目標を作れます。届かなかった理由が、答案に残っているからです。

まとめ 目標点は「何点」ではなく「どの問題を○にするか」で決めてください

この記事のまとめ
  • 目標点に届かないのは目標が高いからではなく、「何点」だけ決めて「どの問題で取るか」を決めていないから。勉強が範囲全部になり、前回と同じ場所で落とす
  • 目標との差20点は、配点3〜5点の問題なら4〜6問。差は前回の答案の「解説を読めば分かる×」の中にもう入っている
  • 読めば分かる×から差の分だけ選び、問題の種類に名前をつけて、範囲のワークのその問題だけを日をあけて5回、スラスラまで
  • 用紙には今までどおりの点数を書いてよい。変えるのは家の目標で、「80点」ではなく「連立の文章題2問」と言える状態にする
  • 聞くのは「何点取るの?」ではなく「どの問題を○にする?」
NAO
目標点の用紙を見るたびにため息をついてきた方へ。次の用紙を書く日に、前回の答案を1枚だけ机に出してください。目標が点数から問題に変わった瞬間に、届かなかった20点は、届く20点に変わります。

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